文/鈴木珠美
ドライブストレッチで瑞々しく、集中力もアップ!
寒い冬。ついつい寒さに体を縮めてしまうので首のこり、肩こりがひどくなる季節です。体をぎゅっと縮めてしまうと、胸まわりの筋肉が縮みやすくなるので猫背は増長し、前傾姿勢が強くなるため前かがみになり、気持ちも縮みやすくなります。
体と心はつながっていると言われていますが、実際、緊張すると手に汗が出たり、震えたりと、心の状態が体に現れます。それと同じように、体が縮むと、心も縮みやすくなるのです。心が縮むと、前向きな気持ちになりにくくなったり、柔軟な考え方がしにくくなったりと、心はネガティブな方向へ行きやすくなります。
これは車の運転の前によろしくない状態です。
車の運転は適度な緊張感と、同時に緊張し過ぎていない柔軟な心も必要です。首や肩まわりがこっていると集中力も落ち、判断力も鈍ります。
そこで車に乗り込む前に行いたいのが体をゆるめて心をほぐすストレッチです。とくに寒い冬は体を温めるストレッチが有効。血の巡りを良くすることで首&肩こりの緩和はもちろん、寒さで縮んだ体がほかほかと温まり、心もほぐれるのでリラックスした良い状態で運転に向かうことができます。
グーパーの動きで手指足先を温めよう
末端の冷えは運転の集中力をそいでしまう要素です。そこで“グーとパー”の動きで温めます。指先を大きくパーに広げ、ゆっくりと関節を折り曲げてグーにします。ぎゅっと握ったら、ゆっくりと再び手を大きく広げてパーの形に戻します。手のひらと同時に足指も行います。これを約20回繰り返しましょう。指先、足先は小さい筋肉ですが、意識的に動かすことで内側から温めることが可能です。グーパーの動きを行ったら、あわせて足首まわしも行いましょう。下半身の血行が悪くなると、足先、足首は冷えやすい箇所です。靴下を脱いで、手の指を足の指に絡めて、回します。反対回しも同様に。時間がないときは靴を履いたままでもOK。10回程度回したら反対回しも同じ回数で行いましょう。
肩甲骨をぐるぐる回して肩こり予防
両手の指先を肩先に置き、背筋を伸ばしたら、両肘を前から回します。息を吸いながら胸の近くに肘を寄せるようにして頭上に上げて、息を吐きながら、肘をなるべく遠くに回すように意識して肘を降ろします。肩甲骨を大きく動かすことがコツです。3回、回したら、反対回しも同様に行います。肩まわりの血の巡り、リンパの流れがよくなることで体の内側からぽかぽかと温まり、緊張した肩まわりがゆるみます。肩こり改善にも効果が期待できます。
下半身を刺激して血の巡りをアップ
片方の手は壁につき、両足のかかと同士をくっつけて背筋を伸ばして立ちます。その姿勢からゆっくりと膝を真横方向に曲げて腰を真下に下げます。下げられるところまでいったら10秒キープして、ゆっくりと戻る。これを3回繰り返します。背筋をまっすぐに伸ばしたまま行うことがコツです。下半身の血の巡り、リンパの流れをよくすることで、下半身を温めます。
お腹の呼吸で体を内側から温めよう
意識的にお腹の呼吸を行うことで体の内側から熱をつくって温めます。お腹の呼吸法はリラックスさせる効果もあるので、寒さでがちがちに緊張した体と心をほぐすのにも効果的です。まず、意識しやすいようにお腹に両手を置きます。太ももの付け根辺りにある座骨は椅子の座面にしっかりとつけて、背筋を伸ばします。鼻から息を吸ってお腹を風船のように大きく膨らませて、いっぱいになったら、吸った息の2倍以上かけるイメージで、鼻から細く長くゆっくりと息を吐きます。お腹がぺちゃんこになるまでしっかりと息を吐き切ることがポイントです。これを5、6回繰り返しましょう。体がぽかぽか温まるだけでなく、イライラしたときや焦る気持ちをクールダウンするときにも役立つ呼吸法です。いつでもどこでもできるので、お手軽な温活テクニック。お試しあれ。
体と心をほぐし、心地よい状態へ導くことは、安全で快適な車生活を送る秘訣です。かろやかに、素敵な車との日々を送りたいですね。
文・鈴木珠美
カーライフアドバイザー&ヨガ講師。出版社を経て車、健康な体と心を作るための企画編集執筆、ワークショップなどを行っている。女性のための車生活マガジン「beecar(ビーカー)https://www.beecar.jp/ 」運営。