独身のころからいつも部屋にお花を飾っていたという桐島かれんさん。日々の暮らしに花は欠かせないアイテムだそうです。
花日ごろ
花を生けることは、自分の中の小さな創作活動だと思っています。
色とりどりの花々を日常に。
春の幸福感そのもののようなカラフルなチューリップを部屋の中に飾りました。
撮影/上田義彦 構成/高橋亜弥子
チューリップとお気に入りの花器
春の楽しみは、大好きな花であるチューリップがお花屋さんに並ぶこと。最近は、花びらが八重だったり、フリルになっていたり、色が2色のグラデーションだったり、多種多彩なチューリップを見かけるようになりました。花びらも小ぶりなものから大きなものまでさまざまに。普段は1品種の花を単色で豊かに生けるのが好きですが、チューリップは複数の色を混在させて生けることが多いです。
チューリップを生けるときには、結婚したころに購入した2種類の花器を、20年以上愛用しています。
ひとつは、緑色のガラスのフラワーベース。北欧の花器で、有機的な形状にチューリップの茎が自然に収まります。50本近く入れると、カラフルな色が広がるのが素敵。緑色のガラスは、茎の色と同じなので花が鮮やかに見えるのが利点です。
もうひとつは21本の試験管が並ぶ花器。ずっと知らずに使っていたのですが、最近、フランスのデザインユニット“ツェツェ・アソシエ”が手がけた「四月の花器」という代表作であることを知りました。ひとつひとつの試験管に一本一本種類が異なるチューリップを入れて、日当たりのよい窓辺に飾ると、野原に咲く花のように見えてかわいらしいです。
チューリップは、日が経つごとに表情が変わる花で、最初は蕾が固く、茎がシャキッと真っ直ぐ立っていても、日に日に花が開いて、茎も柔らかくなって外に向かいます。ほかの花も同じですが、花を生けるときは開花のピークを想像してアレンジするのがコツ。たとえば、百合は花が大きいので、蕾のときの姿だけを見て密着させて生けると、花が開いてきたときに花びら同士がぶつかってしまうことも。チューリップも開花して花の束が広がっていくことを想像して生けます。
花を買うときには、どの花器を使うかを考えながら選ぶと、家に帰ったときに慌てずにすみます。
「この花を生けるなら、この花器」と、自分が好きなアレンジに合う花器が数種類あれば、季節ごとに花器からイメージして花を選ぶことができるはず。アンティークの壺だったり、古いガラス瓶だったり、花器としてつくられたものでなくても、花を引き立たせる器を見つけることができたら幸運です。竹かごやバスケットなど水を直接入れることができないものでも、内側にプラスチックなどの器を「おとし」として使えば、花を飾ることができます。相性のよい“花と器〟を探して、ぜひ、気軽に花を生けてみてください。
KAREN’s VOL.1 2019/春・夏
桐島かれん LIFESTYLE & TRAVEL
発行/KADOKAWA
定価/1500円(税別)
桐島かれんさんが責任編集のムック『KAREN’s』が誕生しました。巻頭は写真家の上田義彦氏撮りおろしの50ページにわたる「かれん流 ハワイの休日」。後半には、葉山の家の夏じたくなどのインテリアや、スタイリストの金子夏子さんとの「大人のおしゃれ対談」、アート&クラフト、お花、お料理、世界のお弁当事情のエッセイなど、かれんさんからのライフスタイル提案が詰まっており、大人の道先案内となる一冊です。
桐島かれん Karen Kirishima
モデル。1964年生まれ。1986年、大手化粧品会社のイメージキャラクターに起用され、脚光を浴びる。1993年には写真家の上田義彦氏と結婚し、四児の母に。ライフクラフトブランド「ハウス オブ ロータス」のクリエイティブディレクター。この春、自ら責任編集をつとめるライフスタイル&トラベルムックの『KAREN’s』を上梓。多彩な領域で活動を続けています。
Instagram@houseoflotuskaren