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働きながらもらうと年金が減ることも|知っておきたい年金と60歳からの仕事


知っておきたい年金と仕事

同じペースが続くように思えるリタイア後の収入ですが、実際には、年金額が変更になったり、生命保険の受け取りがあったりと、年齢によって入ってくるお金が変わります。収入予定表を使って、今後の収入の見込みを把握しておきましょう。

これからの収入を予想しよう

これからの時間、やりたいことをーつでも多くかなえたり、もしもの入院や介護に備えて資金を準備するため、 毎月の赤字はできるだけ抑えたいものです。そのためには、収入と支出の2つの方向から考えることが大切です。

まずは収入です。『60代からのライフプランの作り方』では現在の収入を記入しましたが、今後も同じ金額が続く人はまれでしょう。すべての年金受け取りが開始するのはまだ先の人もいるでしょうし、まだ働いている人や、これから働きたい人もいるはずです。

内閣府が行った高齢者の経済生活に関する意識調査でも、「いつまで働きたいか?」の質問に、ほとんどの人が、65歳以降もなるべく働きたいと答えたという結果が出ています。

(C)2018 NPO法人 日本FP協会

60歳を過ぎてからの働き方は、現役時代と同じ仕事を続ける以外にも、いったん退職して、新たに別の仕事を始めるという選択肢もあるでしょう。今も会社勤めを続けている人は、会社の制度として何歳まで働けるのかと合わせて、給与の水準が今後どう変わるのかを確認しておくとよいでしょう。

再就職先を探す場合は、ハローワークが頼りになります。高齢者専用の相談窓口もありますし、講習やセミナー、支援プログラムなども準備されています。

短期や臨時の仕事を探すなら、シルバー人材センターに登録する方法もあります。公園や屋内の清掃、育児代行、駐輪場の管理、パソコン指導など、様々な仕事があるので、自分のスキルに合わせて選べるでしょう。収入は、月10日前後働いて5万円程度が目安です。

変わり続ける年金の額

(C)2018 NPO法人 日本FP協会

公的年金制度には複雑な決まりがあり、年金額は年齢とともに変わります。

大まかには、働き方にかかわらずもらえる老齢基礎年金は、65歳から支給開始です。現役時代、厚生年金に加入していた人は、これに合わせて老齢厚生年金がもらえます。こちらはかつて60歳から支給されていたのですが、制度の改正により、現在段階的に支給開始の年齢が引き上げられています。この影響で、現在の年金額は、本来もらえる額の一部という人も多いでしょう。年金がいつから満額もらえるかは、生年月日や性別によって異なり、すべての人が満額になるのは65歳からになります。たとえば、男性の場合、昭和30年4月2日から昭和32年4月1日までに生まれた人は、62歳から一部、65歳から満額が支払われます。上図のように昭和32年6月生まれの男性は63歳から一部、65歳から満額となります。

また、65歳未満の配偶者や18歳未満の子どもがいる場合、一定の要件を満たせば、加給年金といって家族手当のようなものが付く場合もあります。加給年金の金額は、受給者の生年月日や 子どもの数で決まります。

結局のところ、年金は何歳から、いくらもらえるのか、自分では正確なところがなかなかわかりません。加給年金等を含めた、これからもらえる予定の年金額は、年金事務所で照会できるので、一度足を運んでみることをおすすめします。

注意が必要なのは、ここで教えてもらえる金額は、かなり正確なものではありますが、その年齢になれば必ずもらえると決まっているわけではないことです。その後の制度の変更や、自分の働き方で変わる場合もありますので、あくまでも目安と考えてください。

自分の年金額に予想がついたら、下の収入予定表に記入しましょう。 まず、夫婦それぞれのこれからの収入と年金額の予定、さらに、個人的に加入している民間の年金の受取額や生命保険の満期金、子どもからの仕送りや家賃収入なども併せて書き込みます。

今後の収入の見込みが立てば、生活のレベルをどの程度にすればよいかの目安になるでしょう。また、完成した表を見て、本格的な年金受給開始までの収入が少ないと感じたら、収入アップの可能性を探るなど、今後のマネープランを考える材料にもなるはずです。

働きながらもらうと年金が減ることも

60歳以降も年金をもらいながら会社勤めが続けられれば、収入の面ではかなりの安心感があるでしょう。しかも、厚生年金に加入し続けることで、のちの年金額を増やすこともできます。ただし、こういったケースで注意したいのが、給料が多くなると年金がカットされる可能性があることです。

(C)2018 NPO法人 日本FP協会

このしくみを在職老齢年金制度といいます。制度をごく簡単に説明すると、65歳未満の場合、平均的な給与と年金月額を合わせた金額が28万円を超えた場合、超えた分の2分の1の金額が年金から差し引かれます(平均的な給与というのは、月給に年間ボーナスの12分の1の金額を加算したものをいいます)。たとえば、平均的な給与が20万円、年金の月額が12万円あるとします。2つを合わせた金額の32万円から、28万円を引いた超過分4万円の半額の2万円が年金から差し引かれ、10万円が支給されることになります。上にある、在職老齢年金早見表を目安として参考にしてください。

65歳以上になると、平均的な給与と年金月額を合わせた金額が46万円を超えた場合に、超えた分の2分の1の金額が年金から差し引かれます。

なお、在職老齢年金制度は、会社員や公務員など厚生年金に加入しながら働く人が対象です。自営業の人は、年金額への影響はありません。

(C)2018 NPO法人 日本FP協会

【コラム】

ボランティア活動でつくる生きがい

リタイア後の生活は、「お金」、「健康」、「生きがい」の3つの要素がバランスよく整うと、充実するといわれています。気の合う仲問と全国の温泉を巡ったり、趣味の陶芸を究めたり、何を生きがいと思うかは人それぞれですが、お金をかけなくても、生きがいを見つけられる方法があリます。その代表的な例がボランティア活動です。

退職し、子どもも手を離れて、ともすると自分の存在価値を見失いがちなリタイア後の生活のなかで、誰かの役に立っているという感覚は、何ものにもかえがたい充実感を与えてくれることでしょう。

また、ボランティア活動を通じて新しい仲問と交流が生まれたり、生活に張りやリズムができたりすれば、健康面への好影響も期待できます。

ボランティア活動は、初めての人にとっては、 何から始めればよいのかわからない、と思うかもしれません。ですが、リタイア後に空いた時問を使って、地域の子どもたちのためにパトロール活動を行ったり、子育ての経験を生かして、地域の母親の子育て相談にのったりと、特別な資格や技術がなくても、活動の場は身近なところにいくらでもあるものです。

本文で紹介したシルバー人材センターでの仕事も、時給が低いので生活のためと思うといま一つやる気が出ないかもしれませんが、困っている人のお手伝いをして、なおかつ、お小遣いにもなると思えば、前向きな気持ちで取り組めるのではないでしょうか。

※本記事はNPO法人 日本FP協会発行のハンドブック「自分らしく暮らすために 60代から始めるマネー&ライフプラン」から転載したものです。

協力:NPO法人 日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/

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