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【相続事件簿05】まさか前妻との子がいたなんて!父の死後に判明した不都合な真実

あらゆるパターンの相続トラブルを目撃してきた相続問題の専門家・曽根惠子さんに、これまであった相続トラブルの実例と、その解決策をご紹介していただく連載企画です。

親のことはもとより、自分自身も“終活”を意識する年齢にさしかかっているサライ世代にとっては大切な知識です。後戻りできない骨肉の争いを避けるためにも、ぜひ読んでおいてください。

【相続事件簿05】異母姉の存在を妹たちに知らさずに相続の手続きをする方法

さて、今回の相談者は、原田裕子さん(仮名・48歳)。先日、80代のお父様を亡くし、お母様と一緒に相談に来られました。

「父が亡くなってから、相続の手続きをするために、生まれた時からの戸籍が必要だと言われて取り寄せました。すると母との結婚は2度目で、しかも、前妻の間には、娘が1人いることがわかったのです。現在58歳になる方で、私にとっては異母姉です。

これにはまったくの想定外のことで、本当に驚きました。相続人は、母と私と妹2人の3姉妹ですから4人だということしかありませんでした。」

「父は実直な人柄で、私たち娘にもやさしくていい父親でしたので、そんな大事なことを隠しているとは想像もできませんでした。私よりも母のほうがショックが大きく、あんなに取り乱した姿は見たことがないくらい混乱していました。父からは結婚歴があることや子供がいることも一切知らされていなかったのです。

50年の結婚生活がすべて否定されるようで、なぜ、言っておいてくれなかったのかと父に恨み言を言っています。」

父親は遺言書を残しませんでしたので、相続手続きには相続人全員の合意のもとに分割協議をする必要があります。異母姉も父親の実子ですから、当然、相続人になります。

「父は法曹関連の仕事をしていましたし、いろいろと交際範囲も広く、相続の知識もあったはずなのに、遺言書は残していませんでした。

母も私も夜、眠れないほどでまだ気持ちの整理がついていません。2人の妹にもこの事実を伝えないといけないのですが、父が亡くなったことで悲しんでいる姿を見ると伝える決断がつきません。知らせても混乱するだけですし……なにより私たちのことを愛してくれた父のイメージを壊すことが残念でなりません。

なので、妹たちには知らせずに、長女である私と母親だけで手続きがしたいのです。

それに今まで会ったこともない人に、どういって連絡して会えばいいかわからないし、どんな人かもわからないので、それを考えるだけで夜も眠れませんし……会うのも怖いので……いったいどうすればいいでしょうか。」

原田さんとお母様は、穏やかな口調ながらも、異母姉との距離感をつかめず、気持ちの整理もついていない様子がわかりました。

*  *  *

お父様の財産は、自宅と預金と株式で総額5000万円ほどだとわかりました。相続人は1人増えて5人になりますので、基礎控除額は6000万円となります。

相続税の基礎控除は、3000万円が基本で、法定相続人の数×600万円を加えたもの。この計算の結果、遺産が基礎控除の金額より低い場合、相続税は発生せず、申告も必要ありません。

原田さんのケースで基礎控除を確認すると、3000万円 + 5人×600万円=6000万円となります。財産が5000万円ですので、基礎控除以下となり、相続税はかかりません。

「相続税の基礎控除の範囲内ですので、相続税の申告は不要だとわかり、安心しました」と原田さん。しかし、それで相続の手続きが不要になるわけではなく、異母姉の協力が得られないと不動産の名義も変えられないのです。

さて、次のページで、曽根さんの解説とアドバイスを聞いてみましょう。

>>次ページ「異母姉の存在を妹たちに知らせることなく相続の手続きをすすめる方法」

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