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【相続事件簿01】不動産メインの父親の財産を浪費家の妹夫婦が狙う!

今回から始まる新企画【相続事件簿】では、あらゆるパターンの相続トラブルを目撃してきた相続問題の専門家・曽根惠子さんに、これまであった相続トラブルの実例と、その解決策をご紹介していただきます。

親はもとより自分自身も“終活”を意識する年齢にさしかかっているサライ世代。後戻りできない骨肉の争いを避けるために、ぜひ読んでおいてください。

【相続事件簿01】認知症の父の不動産メインの財産を、浪費家の妹夫婦が狙う!

今回の相談者は、松村雄二さんご夫婦(62歳・仮名)。神奈川県内の二世帯住宅で、奥様(60歳)と85歳のお父様と同居しています。お母様は10年前に亡くなりましたので、お父様の財産の相続人は、松村さんご自身と、妹さん(58歳)の2人になります。

「先日、認知症の父が入院し、いつ相続が発生してもおかしくないと思い、思い切って財産をリスト化しました。

父親は潔癖な性格で“お金のことと食べ物のことにこだわる奴は意地汚い”という考え方の持ち主。だから先送りしていたのですが、いよいよ危ないと思い、書類や通帳の内容を整理したんです」

松村さんご自身は、一部上場企業を退職した後、ベンチャー企業の人事アドバイザーになったり、読書会を主催したりと多忙な生活を送っており、さしあたってお金に困ることもないとか。

「娘2人を小学生から大学生まで私立に入れてしまったので、現在の貯金は2000万円程度。厚生年金の支給開始が64歳ですが、月収は20万円ほどあるので、貯金に手を付けずに済んでいます。

しかし先日、同級生と話をしていて、“親が死んで不動産を相続したら、相続税を2000万円支払った”という話を聞き、これはまずいと思いました」

お父様の財産は、松村さんの予想以上に多かった。不動産の評価額については国税庁のホームページで調べたそうです。

「父の財産は、現在住んでいる神奈川県内にある自宅の土地と建物、自宅の裏にあるマンションの土地と建物、預貯金で総額が約1億円ということがわかりました」

ちなみに相続税の対象となる財産は、土地、家屋、現金、預貯金、証券、生命保険、貸付金、特許権、ゴルフ会員権、書画、骨董など多岐にわたります。松村さんは、相続税を試算してみると、基礎控除額の4200万円を引いたあと、課税されるのは5800万円、その場合の相続税は770万円になることがわかり、かなり焦ったそうです。

しかし松村さんはお父様と同居しているので、『小規模宅地等の特例』(※注1)を活かせば、相続税は100万円程度に下がりますので、負担は軽くなります。

「問題は、自宅の裏にあるアパートなんです。

建物はすでに私が15年前に4000万円のローンを組んで建てており、父と一緒に完済しました。ですから父の死後も、土地は私名義にしたいのです。

また財産のバランスにも問題があります。不動産が85%、預金が15%なのですので、もし私が自宅とアパートを相続すると、妹には1500万円程度の預貯金だけになります」

お父様の介護、母親の看病は、松村さん夫婦が引き受けてきて、東京都内に住む妹夫婦はノータッチ。貢献度を考えても、松村さん夫婦に相続させたいとお父様も言っていたそう。

「でも父はすでに認知症で、遺言書が作成できません。妹と『遺産分割協議』(※注2)をして、財産の分け方を決めなければなりませんが、それが問題で……。

妹夫婦はハデな生活をしていて、消費者金融やクレジットカードで借金を繰り返しており、父がその肩代わりをしたことも何度もあります。母が生きていた頃は、お小遣いをせびりに来ていました。

私にとって都合がいいのは、妹が現金だけでよしとして譲ってくれること。しかし、“パパが死んだらこの家が私のものになるのね~”と平然と言うあの妹夫婦が納得するかどうか……」

*  *  *

さてこんな場合、いったいどのようにすればいいのでしょうか? 曽根さんの解説とアドバイスを聞いてみましょう。

※次ページ>>「財産の大部分が不動産で分けにくいケースはどうすればいいか」

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