結婚生活は2年で破綻し、実家に出戻るも…

結婚してしばらくは働き続けるも、居心地の悪さと夫の希望もあり、退職することに。その後、無事女の子を出産する。1回目の結婚していた期間の中で、「幸せのピークは出産したときだった」と振り返る。

「職場では妊婦ということで周囲は残業を強要できなくなり、邪魔者扱いされたんです。そんな私の姿を見て、夫からも『ゆっくりしたら?』と言われて退職しました。そこから夫を待つだけの生活になったのですが、そんな生活も幸せでした。妻や母になるという役割をもらえたからです。今まで仕事でしか自分の価値がわからず、不安定になることも多かったので。でも、その妻と母親という役割も不安定なものだったんですけどね」

夫婦生活は2年で破綻。ケンカが絶えなくなり、先に結婚生活に音を上げたのは凪咲さんだった。しかし、離婚を具体的に進めたのは夫のほう。夫は当然のように養育費の話をしたという。

「離婚話の中で、私が子どもを引き取ることを、夫は当たり前に話し始めたんです。この人は2年も子どもと一緒にいて、愛情を持たなかったんだなって思いました。私は、離婚しようとなったときに一番に懸念したのは子どもの親権を争うことだったのに、夫の発言にはとても悲しくなりましたね」

養育費は月4万。仕事をしておらず、それだけではとても生活できなかったので、凪咲さんは子どもと一緒に地元に戻ることにした。

「両親は一度は離婚について反対しましたが、離婚が決まった後は私の味方でいてくれました。帰って来いと言ってくれたのは父親です」

そんな優しかった父親は、凪咲さんが出戻って2年弱で病気で亡くなってしまう。

「進行がんでした。本当に不調に気づいてからあっという間。両親と子どもとの4人でやっと穏やかに生活できると思っていたのに、父親が亡くなったことで母親の今後の生活も不安定になってしまったんです」

残された母親と娘との暮らしを守るため、まずは正社員を探し始めたが。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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