取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

日本では婚姻届を役所に提出し、受理されると夫婦と認められる。夫婦となり、パートナーのことを家族だと受け入れられるものの、パートナーの両親やきょうだい、連れ子などを含め、「みんなと家族になった」とすんなり受け入れられる人もいれば、違和感を持つ人もいるという。家族について戸惑った経験がある人たちに、家族だと改めて感じられたきっかけを聞いた。

株式会社Clamppyは、熟年離婚を経験した男女を対象に、熟年離婚(20年以上の婚姻期間を経ての離婚)に関するアンケート(実施日:2024年11月25日〜2024年12月9日、熟年離婚を経験している男女1335人、インターネット調査)を実施。アンケートにて、男女別に「熟年離婚をして感じたデメリット」を聞いたところ、男性では「金銭面で不安が出てきた」と回答したのは約3%だったのに対し、女性は約24%と大きく差が開く結果となった。熟年離婚後の女性は中々働き口がなく苦労している人が多いとされる。

今回お話を伺った莉子さん(仮名・45歳)は、28歳のときに夫と結婚するために義両親に挨拶に行ったが、義父との顔を合わせは30分ほどで終了。義父はその場にいることが飽きたように「もういいか」と言い、席を離れたという。【~その1~はこちら

義父は両家の顔合わせを15分で帰ろうとした

義父との30分ほどの顔合わせを、莉子さんは「びっくりはしたけれど……」と振り返る。

「私の両親が夫の家族に挨拶をしたいと強く希望していたこともあり、義父の行動を見ても、両家の顔合わせをやめるという気持ちはありませんでした。義父の行動にはびっくりはしたけれど、そこまで酷いことをされたという認識もなかった。義母と夫が私にずっと謝っていて、その謝罪のほうがいたたまれない気持ちになりました」

両家の顔合わせは、隣県にある莉子さんの家に義両親が行くことに決まる。莉子さんの母親は朝からその準備をしていた。顔合わせの時間は2時間ほどだったが、義父が積極的に会話に参加した時間は一切なかったという。

「義父は席について15分ほどで、私たちに聞こえるような声で義母に『もう帰ろう。母さん早く準備して』と言ったんです。私はそれを聞いて、ぎょっとしてしまいました。その発言に対して、私の父親は『せっかく来てくださったんですから』と笑顔で対応していました。父親の態度にホッとしましたね。

その後の義父は、質問されたことに淡々と答えるだけで退屈そうでした。その態度を見て、2人になったときに、夫から『結婚したら僕の家族とは交流しないでいいから』と言われました」

結婚式は行わなかった。夫からの宣言通り、結婚後の義両親との交流は一切なく、夫は年に一度1人で実家に帰省するだけだった。結婚当初はそのことに違和感があったというが、いつしかそのことが普通になっていったという。

「義父の顔合わせでの振る舞いについて、夫は後日私の両親に謝罪するために、再度私と一緒に私の実家に行きました。そこで義父に対する思いを正直に私の両親に告白したんです。私の両親は黙って聞いてくれていて、結婚式もしないことを受け入れてくれました。

結婚後は夫は私の実家には一緒に行ったり、私の両親と食事をしたりしてくれたのですが、私は義両親2人と会ったのは挨拶のときだけです。私が子どもを出産したときには義母は来てくれましたが、義父は来ませんでした」

【これ以上謝っている義母を見たくないと思った次ページに続きます】

1 2

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
4月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店