性的な興奮をする自分が気持ち悪かった
伯母は太っていて、胸も大きかった。賢治さんは今も胸が大きな人と太った人が苦手だという。
「中学に上がる前に伯母との接点はなくなりました。伯母の家族が遠方に引っ越したからです。親族大勢で集まる場所では顔を合わすことはあったけれど、人数が多いから2人きりになることもありませんでした。こちらがそうならないように避けていたこともあって。
伯母は太っていたので胸も大きくて……、私はふくよかな女性が苦手になっていました。苦手な意識はなかったのですが、友人たちと大人の雑誌を見たときに、大きな胸が全然魅力的に見えずに、気持ち悪いと感じたんです」
女性の体には興味は少しあったが、それに興奮する自分のことを気持ち悪いと感じるようになっていた。
「大人になったら当然のようにそういう行為をしないといけないのかと思うと、それも気持ち悪かった。
自分は両親がそういう行為をしたから生まれてきたのかということまで考えてしまって、両親とうまく話せない時期もありました」
好きだと思う異性と付き合うことはできても、性的な感情は抱かなかったという。
「抱きしめられたいというよりも、好きな人だから抱きしめられても嫌じゃないという感じでした。触れたとしても、そこから性的な感情は抱きません。
高校のときの彼女とは、性的な雰囲気になることを避けていたら振られました。そこからは女性に興味あるフリをしつつも、誰とも付き合いませんでした。興味あるフリをしたのは、周囲から同性が好きだと思われたくなかったからです。同性にも興味がなかったので」
女性を避けていたはずなのに、20代のときに取引先の女性から性被害に遭う。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。