取材・文/ふじのあやこ
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昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたことや、親について、そして夫や妻、子どもについて思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。
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株式会社ウェブギフトが運営する「オフィスギフト」は、男性が受けた職場でのセクハラに関するアンケート調査(実施日:2024年10月22日〜2024年10月29日、20代以上の就労経験のある男性300人、インターネット調査)を実施。職場でセクハラを受けた経験があるかの問いに対し、「はい」と答えた男性の割合は全体の30.7%にのぼり、3人に1人がセクハラ被害を経験している実態が明らかになった。次いで、セクハラを受けた経験がある人にセクハラ被害を誰に相談したかを聞いたところ、112人中60人が「誰にも相談していない」と回答。被害を打ち明けず、1人で抱え込んでいる実態が浮き彫りになっている。
今回お話を伺った賢治さん(仮名・45歳)は、小さい頃に伯母から性被害ともとれる行為をされ、太った女性と性に興奮する自分自身に嫌悪感を抱くようになっていた。【~その1~はこちら】
女性からトイレに連れ込まれ、吐いた
賢治さんは高身長で顔が整っている。女性から好意を寄せられることも多かったものの、一切寄せ付けなかった。しかし、社会人になってその相手が取引先だった場合には、防ぎようがなかったという。
「学生時代は男友だちとばかり遊んでいました。付き合いで合コンに参加することもあったけれど、私はお酒が強かったので。シラフのまま女性を寄せ付けないように気をつけていたから、変な関係になったこともありませんでした。
でも、仕事が絡むと女性相手でも愛想良くせざるを得ません。私は広告営業の仕事をしていて、取引先への接待で一緒に飲む機会が多かったんです。その中の1人の女性に目を付けられてしまいました。その女性は私を女子トイレに連れ込んだんです」
そのピンチを賢治さんは嘔吐するという方法で回避した。
「その女性は酔いが回ったと、帰り際にトイレに連れて行ってくれと私に頼んできました。他に女性がいなかったので、一番下っ端で、名指しされた私がトイレにその女性を連れて行くことになってしまって。中に入ることはできないから外で待っていたら、ガシャンと大きな音がして、『カバンを落として中の物が散らばったから拾うのを手伝って』と中から言われました。扉を開けて様子を見ようとしたら、引き込まれたんです。
抱きつかれて、キスをされました。キスされたという気持ち悪さから少し吐いてしまって、女性はひるんだんですよね。その隙に男性トイレに逃げ込んで事なきを得ました」
【他人からの性被害は親に話せても、伯母のことは無理だった。次ページに続きます】
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