【家族の絆】「会わないことを決めたのは私」実父と義父のどちらも大切なだけだった～その１～

義父のことを伝えてはいけない。だってお父さんが悲しむから

両親が離婚してから母親が入籍するまで、実父とは月に１～２度ほど会っていた。入籍前の同居していた時期に、何度か家にいる男性（後の義父）の話を実父にしていたというが、伝えないほうがいいと空気を読んでからは、言わないようにしたという。

「実父と会ったときには、会えない間にどのような生活をしていたのか、学校で何があったのかなどを聞いてくるので、何も隠さずに義父のことも伝えていました。実父も嫌な顔をせずにちゃんと聞いてくれましたし。でも、なんとなく義父を含めた家族の話をすると、会話が弾まなかったんです。実父も『そっか』とかそんな返事だけでした。それに気づいてから、実父との会話は私の学校の話や友達との話が中心になりました」

母親の再婚のときに、美和さんと義父は養子縁組をしている。しかし普通養子縁組なので、実父との親子関係は継続したまま。実父は以前と変わらず美和さんとの面会を希望していた。

「母親は再婚したことで養育費はいらないと実父に伝えていた。そのときに面会も私が中学生になるという理由で減らす、またはなくしたいと合わせて伝えていたみたいです。勝手に。実父は私と会いたいと懇願したそうで、その後に母親から、実父との面会についてどうしたいか私に聞いてきました。

私は、面会をなくしたいとまでは思っていなかったけれど、一緒に暮らしている義父に悪いという気持ちもあって、減らしたかったのが本音です。でも、先に実父は希望していると聞かされていたから、減らしたいとは言い出せませんでした」

受験を建前に実父との面会を中断するが、そのまま…【～その２～に続きます】

取材・文／ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社２社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。