「私はお母さんに似たからブスになった」と言ったら頬をぶたれた

中学に入り、自分の見た目を嫌だと思う気持ちは強くなっていったという。しかしこの頃はまだ努力できれいになれると思い、その思いに母親も協力してくれていた。

「とにかく痩せなければと思って、ダイエットを始めました。母親もお弁当の内容をヘルシーにしてくれたり、晩御飯のメニューのカロリーを調整してくれたりしていました。

中学生になると、それまでずっと顔を髪の毛で隠していたからなのか、すごいニキビ肌になってしまって、それが気になってさらに顔を隠して悪化するという状態になっていたんです。そんな私を見て、母親はニキビ肌対応の化粧水を買ってくれたり、皮膚科にも連れて行ってくれました」

容姿を気にする娘に対して、母親はいつも「かわいい」という言葉をくれていた。

「信じてはいませんでしたが、母親は小さい頃から私に対して『かわいい』と言ってくれることが多くて、そのことはうれしくはありました。

でも、『お母さんに似て、肌のきめは細かいから、ケアさえちゃんとしたらきれいな肌になれる』と言われることも多くて、そこには違和感がありました。だって、母親は自分の顔にコンプレックスを持っていないんだなって思ったから」

亜美さんの中では「不細工なのは母親のせい」という思いはあるもののそれは母親に伝えてはいけないものだと思っていた。そう思っていたはずなのに、中学のときに怒りに任せて伝えてしまったという。

「中学のときは反抗期もあって何かと母親と言い合いになることが多かったんです。言い合いになったときに『私はお母さんに似たからブスになった』と言ってしまいました。そのときにはじめて母親に手を出されたんです。そこから母親との仲は険悪になっていきました」

整形に興味を持ち始めたのは大学生のとき。分厚い瞼のせいで化粧で垢抜けることもできない。悩み抜いた末に整形の意思を母親に伝えようとするも……。

~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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