取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたこと、親について思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。

ThirdPlace株式会社は、20~40代の既婚女性530名を対象に、ストレスに関する全国調査を実施(実施日2023年5月31日、有効回答数:534、インターネット調査)。結果では、子どもの有無で違いが出ている。ストレスについて「感じることがよくある・時々ある」と回答したのは、子どもがいる既婚女性は約8割に対して、子どもがいない既婚女性が6割超えとなっている。そして、ストレスの原因を相談する相手として、子どもがいる既婚女性は「夫」が約5割に対して、子どものいない既婚女性は7割超となり、夫との関係にも差が生じている。

今回お話を伺った、絵麻さん(仮名・42歳)は30代で流産を経験して、夫婦だけで生きていくことを決めていた。絵麻さんは働きながら、友人と趣味の活動も続けるなど人生を謳歌しているように見えるが、「夫がいなくなってしまったら……と常に不安ではあります」と語る。

気分屋の父親が嫌い。20年以上口を聞かない関係に

絵麻さんは兵庫県出身で、両親と2歳下と5歳下に妹のいる5人家族。小さい頃から父親は仕事が忙しかったのか週末も家にいないことが多く、ほとんどの時間は母親と妹たちの4人で過ごしていた。父親のことを聞くと「気分屋」とのこと。

「父親はたまに早く帰って来たとき、ケーキなどのお土産を持って上機嫌でベタベタしてくることもあったし、逆にムスっとして母親が話しかけても何も言わず、ずっとリビングのソファに座ってじっとしていることもありました。

家族4人で楽しく過ごしていたのに、玄関のドアが開く音がするとドキッとするんです。今日はどっちなんだろうって。こんなドキドキはいらないから、早くに帰ってくるなって思っていました」

両親が仲良くしている姿もケンカしている姿も見たことがない。現在も両親は離婚していないが、会話はまったくなく、絵麻さんと父親ももう20年以上直接会話をしていないという。

「こんなに話さなくても一緒に暮らしているというだけで夫婦や親子って成立するんだなって思いますね。父親のことは……、言い方は悪いけれど、小さい頃はお金を持って帰って来てくれるだけの存在でした。お金で苦労したことはないので、そこだけは感謝していますが、今さら歩み寄って仲良くしようとは思いません。

私は父親とバージンロードを歩くのが嫌で、結婚式をしませんでした。それぐらい父親と一緒にいるのが嫌なんです。会話も、母親や妹たちを介してしかしていません」

【自分から同棲を持ちかけ、親の意見で結婚に。次ページに続きます】

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