両親が離婚するときに初めて父親の携帯番号を知った
社会人になって2年目で由香さんは一人暮らしを始める。母親とは月に2~3回の電話のやりとりと数か月に一度の外食をしていたが、父親とは一切連絡を取っていなかったという。
由香さんが25歳のとき、両親が離婚した。
「母親が51歳で、父親が57歳のときでした。母親から電話でサラッと『お父さんと離婚するから』と伝えられました。確か、『そっか……』というぐらいの返事しかできませんでした。
両親が離婚するからといって、子どもは何をしたらいいのかまったくわからなくて、とりあえずその週末は実家に戻るということだけはしました。実家には、家を出て初めてのお正月に一度だけ帰ったことがあっただけで、それ以来でした」
父親から住所と携帯番号が書かれた紙を渡されたという。そこで父親が家を出ていくこと、そして父親の携帯番号を知らなかったことに気づいた。
「久しぶりに顔を合わした父親は少し小さく感じました。実家には母親もいたんですが、2人とも私を介してしか会話をしませんでしたね。すごく居心地が悪かったです……。
私が帰ろうとしたときに父親も一緒に家を出ると言い、駅まで送ってもらう車の中で携帯番号と新しい住所が書かれた紙を渡されたんです。そのときに私は父の携帯番号も知らなかったことに気づきました。実家に電話するときはいつも家の固定電話だったから」
離婚してたった3か月後、母親に彼氏ができていた。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。