取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

セックスレス夫婦のドラマが話題になっている。合同会社serendipityでは、25歳以上30歳未満の既婚男女全国1,000人を対象に「セックスレス(※)と未成年期の両親の仲の関連性」について調査を実施(実施日:2023年5月18日、サンプル数:1,000人(男女各500人)、インターネット調査)。20代後半の35.5%はセックスレスであり、セックスレス既婚者の36.9%が「1年以上セックスしていない」という結果になった。

(※)日本性科学会では、セックスレスとは夫婦やカップルにおいて「特別な事情がないにもかかわらず、性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1か月以上ない」ことを指す

今回お話を伺った恵理子さん(仮名・39歳)は大学のときから付き合っている男性と27歳のときに結婚。付き合っているときからレス状態に入り、結婚後は一時的に、子どもを作る手段としてだけ夫婦生活があったという。

大好きな父親を安心させたい。その思いから27歳で逆プロポーズ

恵理子さんは岡山県出身で、両親と5歳下に弟のいる4人家族。家族の中で一番優しいのが父親だった。小さい頃から上手に寝ることができなかった恵理子さんは父親と夜更かしするのが大好きだったと振り返る。

「居間にいるときには眠たくなるのに、いざ布団に入ると目が覚めてしまって。暗い部屋で一人にさせられるのが嫌でいつもぐずるような子でした。そんなときに側にいてくれたのが父親です。父親は建築関係の仕事をしていたんですけど、家には帰って来るのはいつも早くて、私を寝かすのが父、弟を寝かすのが母という感じでした。

父は怒ったところを見たことがないくらい温厚で、私はもちろん、弟や母にも優しかったです。よく田舎で力仕事をしている男性って頑固おやじというイメージがありますが、私の父親は真逆の人でした」

そんな優しい父親は、恵理子さんが大学生のときに病気が判明して入退院を繰り返すようになり、恵理子さんが28歳のときに亡くなってしまう。結婚を27歳にしたのは父親のことがあったからだという。

「夫は大学の同級生で、私はいつ結婚してもいいと思っていましたが、夫は27歳の結婚はまだ早いという考え方でした。だから、結婚は私からの逆プロポーズでしたね。夫は父親の状況も知っていたので、頷いてくれました。

あのとき、もちろん夫だから結婚したいという思いもありましたが、いち早く父親に安心してもらうため、とにかく結婚がしたいという気持ちもありました。夫とは、当時はそこまでうまくいっていた関係ではなかったんです」

【遠距離という出来事があったから、2人の関係は継続できた。次ページに続きます】

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