暮らしを豊かに、私らしく

文・写真/坪井由美子(海外書き人クラブ/海外プチ移住ライター)

あっという間に終わってしまった3か月の韓国生活。楽しいことも大変なこともたくさんあったけれど、全てよい経験だったと思えるほどかけがえのない時間を過ごしました。そう思えるのは、ひとえに出会った人たちのおかげです。最後に韓国の友人たちとの思い出を振り返ってみたいと思います。

孤独で暗かった日々

最初のうちは憂鬱な気分だった通学路。

ワクワクどきどきしながら始めたソウル生活でしたが、じつをいうと最初のうちは想像とかけ離れた孤独な日々をおくっていました。同じような仲間ができるだろうと期待していた学校にはアクティビティといったものが全く無く、他クラスも含め生徒同士の交流もありません。他校に通う人にも聞いてみたところ、語学堂とはそういうところ(あくまで勉強するところ)のようです。これまで他国で経験した語学学校は、孤独な海外生活において励まし合える仲間と出会える場所でもあったのですが、語学堂はかなり違う雰囲気。とくに前回のマルタ留学がのんびりしていたこともあって、ギャップを大きく感じたのかもしれません。もちろん勉強する気は満々だったのですが、なにしろ授業についていくのが大変すぎました。(学校生活については前記事で https://serai.jp/kajin/1166768

ソウルの友人たちは忙しくてなかなか会えず、新しい友人を作る機会もなく、加えて間が悪いことに体調を崩して寝込んでしまい、気分は落ち込む一方。下宿の狭い部屋の天井を見ながら、私はいったい何のためにここに来たのだろう、と情けなくて寂しくて涙が出ました。

転機となったバスツアー。百済への旅

生活のペースにも慣れてきて、1か月ほど経った頃でしょうか。なんとかしてこの状況を変えたいと思った私は、とにかく動いてみることにしました。もっとキャンパスライフを楽しむべく学校内の探検に精を出すとともに、学校外にもあちこち出かけるように。

そんな時に偶然みつけたのが、現地の日本人向けバスツアーです。行先は、韓国中部の広州と扶余の2都市を舞台に毎年開かれるお祭り「百済文化祭」。2023年は規模を拡大し10年に一度の「大百済典」が開催されるとのこと。日本とも縁が深い百済は韓国の元祖ともいわれ、歴史遺産はユネスコ世界遺産にも登録されています。観光や食事も付いたプログラムに旅欲と取材欲がむくむくと沸き上がりました。

大百済典の広州会場。百済の歴史を体験できる展示やおいしいものが並ぶ物産展など見ごたえたっぷり。
韓国芸術の傑作とされる国宝「百済金剛大香炉」。扶余博物館にて。

歴史探訪や郷土料理、名産の栗を使ったスイーツを楽しみ、開会式では韓国の尹錫悦大統領のスピーチやK-POPスターのステージも拝見。思った以上の華やかさに圧倒されながら、お祭りを堪能しました。

盛大な花火が打ち上げられた開会式。韓国大統領や日本をはじめ各国の政治家も登場。

何より、久しぶりに人と交流できたことが嬉しかったです。このバスツアーで出会った人たちのおかげで、私の韓国生活は一気に明るくなっていきました。

日韓夫婦の会

現地妻会のお仲間に入れていただき手料理を堪能。興味深いお話を聞きながら楽しいひとときを過ごしました。

バスツアーには韓国在住歴の長い方たちが多く参加していました。なかでも楽しい時間を共有してくださったのが、日韓夫婦の奥様たち。みなさんとてもオープンであたたかく、ご自宅での集まりに呼んでくださったり、その後もお泊りさせていただいたり、短期間でとても密な時間を過ごしました。

合同誕生日会ということでケーキを用意してくださり感激。

会ったばかりとは思えない親密さに我ながらびっくりですが、環境は違えど、異国での苦労を経験した者同士の絆のようなものを感じました。

ソウルのご近所会

こんなローカルなチムジルバンにお付き合いくださり感謝。ひとりサウナの何倍も楽しかったです。

ご近所さんが集まる会に誘ってくださったのは、近くにお住いだった駐在員Mさん。日本式居酒屋で、同年代の方たちと飲んで食べて、わいわいおしゃべりできる喜びをかみしめた夜。気に入りのローカルなチムジルバン(韓国式サウナ)の話をしたところ、今度みんなで行こうということになり、いきなり裸の付き合いに。窯の中でともに汗を流し、食べたサムギョプサルのおいしかったことといったら!

チムジルバンの食堂でサムギョプサル。おかずのマカロニサラダが妙においしかった思い出。

それにしても、韓国で出会う人たちは、なんてオープンで親切なのでしょう。短いお付き合いにも関わらず、送別会まで開いてくださり感激しました。寒い日に囲んだタッカンマリや、学生街のバーで語り合ったこと、思い出すと頬がゆるみます。

ソウルのご近所さんたちと隠れ家のようなバーで乾杯。ご縁て本当に不思議ですね。

下宿で出会った韓国の友人

ソウルを流れる漢江沿いの公園は市民の憩いの場。ピクニックするグループやカップルでいっぱい。

下宿では大学生の友人ができました。日本語を勉強中のチュン君はとても思いやりのあるしっかり者で、私に負けず劣らずの食いしん坊。一緒においしいものを食べに行ける仲間と同じ屋根の下で出会えるなんて、なんという幸運でしょう。

チュン君は故郷で有名なおいしいパンをお土産に買ってきてくれたり、クラスメイトのソラちゃんと一緒に「漢江でチメク(チキン&ビール)する」という私の夢を叶えてくれました。韓国チキンのおいしさに感動する私をみて、誕生日にはチキンのクーポンをプレゼントしてくれまたもや感激。韓国では誕生日にカカオトーク(メッセンジャーアプリ)でクーポンを贈りあうのが定番なのだそうです。

憧れの「漢江でチメク」体験。屋外でも届けてくれる韓国のデリバリーシステムに感心。

日本に帰国する前に計画してくれた送別会の日。とびきりおいしいカムジャタンを食べた後はおしゃれなカフェでお茶をし、きゃっきゃしながらプリクラを撮って、韓国の若者文化を満喫させてくれました。最後にプレゼントと一生懸命日本語で書いてくれたお手紙をいただきほろり。大切な宝物です。

韓国で大流行中のプリクラ「人生4カット」を体験。楽しかったなあ。

他にも、韓国ドラマ100話分ほどのエピソードがあるような気がするのですが、ここではとても書ききれません。機会があればまたどこかでお伝えできたらと思っています。

* * *

韓国では本当に多くの人たちに支えられました。

忙しいなか一緒に下宿を探してくれた、優しくパワフルなキョンミ。

前世で兄弟だったに違いないキムさん。

いつも穏やかな聖人、リーさん。

日韓の素晴らしいギャラリーを切り盛りするウニさんと仲間たち。

ソウルの駆け込み寺、雨乃日珈琲店のお二人。

そして、ソウルで出会ったたくさんの人たち。

みなさんとご縁があったからこその韓国生活でした。

この場をお借りして、本当にありがとうございます。

またすぐにお会いできますように。


【韓国大人留学1】日本人女性に大人気! ソウルで暮らしてみたら https://serai.jp/kajin/1161334
【韓国大人留学2】ソウルで下宿探し→ドラマのような展開に涙 https://serai.jp/kajin/1162870
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文・写真/坪井由美子
ライター&リポーター。ドイツ在住10数年を経て、世界各地でプチ移住や語学留学をしながら現地のライフスタイルや文化、グルメについて様々なメディアで発信中。著書『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員。

 


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