女性はいつまでも一人前になれないのか
子どもを育てていく中で感じたのは、「2人目」を気にする周囲の声だった。1人の子どもの子育てで手一杯だった未華子さんだったが、周囲からのストレスをなくしたい一心で、しばらくレスだった夫婦生活を再開した。
「夫から求められてはいたんですが、なかなかそんな気持ちになれなくて。何度も断っていたら誘われなくなっていました。
このままでもいいなって思っていたのに、子どもが3歳のときぐらいから義母から『2人目はどうなっているの?』と言われるようになりました。そうですね〜と流していたら、次は子どもが4歳になる年に幼稚園に入ってできたママ友たちから『きょうだいを作ってあげるなら早いほうがいい』と言われるようになりました。そのストレスから脱したい一心で、渋々私のほうから夫を誘って、夫婦生活が再開しました」
しかし、未華子さん夫婦は2人目を授かることはなかった。それを、夫や義母、周囲のせいと未華子さんはいう。
「妊娠にはタイミングが大切なのに、その日に夫を誘っても『妊娠のためとなると萎える。2人目も自然でよくない?』と言われました。基礎体温を真面目に測っていた自分がアホらしくなりました。
義母は1人目のときのように遠回しな言い方から、直接的な言い方になり、『頑張りなさい』とサプリなどを渡してきます。ママ友などの周囲は無責任に『きょうだいはいたほうがいい』と言ってくるし。女はいつまで経っても頑張らないといけないんですね。日本って生きづらいです」
「女性は結婚して、子どもを産んで一人前」という風潮はまだまだ根強く残っている。さらに2人目についても周囲の目を気にして生きなければいけない日本は、女性にとって幸せな国とは言えないだろう。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。