義妹のサポートを義母が、そして義母のサポートは私に……
引っ越し作業が落ち着いても毎週のように義母からのヘルプの連絡が来ていた。義妹がメンタル不調、そして義母が体調不良を訴え、幼子2人の子育てなどの負担が亜美さんに。夫と義父のお願いもあり、義実家の近くへ引っ越し、そして引っ越しに合わせて亜美さんは仕事をやめることになる。
「確かに、義妹は引っ越しの前から様子はおかしかったんです。無感情、無表情というか。2人の子どもにも無関心になり、その世話を義母が抱えてしまってダウンしてしまいました。そして、そのしわ寄せが私にきました。義妹があんな状態になってしまっては、離婚する、しないにしても2人の子どもたちのこともあるから今さら追い出すこともできないし、義父だけでは何もできない。
私たちが義実家の近くに引っ越ししたのはまだコロナ禍だった2年前でした。私たちの子どもは友だちと満足に遊ぶこともできないままの転校となり、本当に申し訳なかったです」
亜美さん夫婦は、引っ越しをしてからは週の半分以上は義実家に通った。亜美さんの協力で義母は元気を取り戻し、義妹も安定しているというが、義弟夫婦の別居状態は今も続いているという。
「義弟は養育費や生活費は払ってくれているみたいだけど、それだけ。離婚したいと言い続けていて、義実家に寄りつきません。義妹はまだ離婚には反対していますが、傍から見ても修復は不可能でしょう。義妹的には、離婚となったら義実家を追い出されるという思いもあるんじゃないかなって、私は思ってしまっています。今はちゃんと子育てもしていますし、義妹と子どもを離れ離れにするのもよくない。でも3人で暮らしてはいけないだろうし。考えても仕方ないんですけど、いつ火の粉が飛んでくるかわからない状態が続いています」
離婚に必要な別居期間は通常5〜10年と言われており、有責配偶者側が離婚を請求している場合には別居期間はさらに必要とされている。10年以上経てば義弟夫婦の子どもも大きくなり、3人で暮らしていけるようになるかもしれないが、その間に義両親に何かあった場合には再び亜美さん家族に負担がかかる恐れがある。亜美さんは「義理の家族の不倫というリスクまで加味しないといけないのか」と肩を落としていた。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。