取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
男女の出会いメディアe-venz(イベンツ)を運営するノマドマーケティング株式会社は、全国の40代から50代の既婚男性1000人を対象にモラハラ妻についてのアンケートを実施(調査方法:インターネット 調査期間:2023年1月12日~2023年1月12日)。全体の16%が自分のパートナーを「モラハラ妻」だと答えたという。
今回お話を伺った光一さん(仮名・44歳)は29歳のときに同い年の女性と結婚。光一さんも妻も父親との関係が悪かった。光一さんは自分と同じような高圧的な父親像をイメージしていたが、両家の顔合わせで初めて会った妻の父親の印象はそれとはまったく違っていた。
「外面がいいだけかもしれませんが、妻の父親はとても感じのいい人という印象でした。悪く言うと、目があまり合わず、どこかおどおどとしていて、頼りない感じがしましたが、妻から『母親がよくいじめられていた』と聞いていたような人にはまったく見えませんでした」【その1はコチラ】
紙とペンを渡され、「どこが悪いと思っているか書いて」
光一さん夫婦は付き合っていた期間は長かったものの、結婚後に初めて2人暮らしをスタート。付き合っていたときは光一さんの家に来て家事を手伝ってくれていたというが、それと同じように頼ろうとしていたことを「自分が悪かった」と光一さんは振り返る。しかし、その頼ったことへの代償が凄まじかった。
「家事はやってもらって当たり前の考えがあったのは確かです。お互い働いていたんですけど、率先してやってくれていたからそのまま何も思わずに任せてしまっていました。そんな私に対して妻は『家事を分担したい』と提案してくれて、担当のものはちゃんとやっていた、つもりだったんです。でも、それが妻のお眼鏡にはかなわなかったみたいです。何度も注意をされて、その度に謝っていたんですが、それでは埒が明かないと思われたのか、あるときにメモとペンを渡されたんです。『どこが悪いか紙に書いて』と言われました」
その書いた内容に妻が納得できない場合には書き直しが命令される。さらにエスカレートしていくと、「謝罪部分を添削されるようになった」という。
「『この家事をこんな思いから手を抜いてしまい、本当にすいません』といった文章でしょうか。文章は何度も直されていく中で私も言い返せばよかったんですが、一度『なぜ書かないといけない』と言い返したら、今までできていなかったものを1つずつ振り返られて、心が折れましたね……。この時間を早めに終わらすためには謝罪文を書くしかなかったし、書いている間は怒られない。いつしか、そんなことを思うようになりました」
【部屋に貼られた謝罪文に、義母は何も言わない。 次ページに続きます】