SNSにあった「気持ち悪い」。もうどう接したらいいかわからない
妻の元夫とは子どもが1歳にならないタイミングに離婚しており、そこから一切会っていない。子どもにとって初めての父親という存在だったが、3人の頃は「ちゃんと自分を受け入れてくれていた」と振り返る。
「私は、子どもにとって親というよりも友だちという感覚だったんじゃないですかね。母親の友だちから仲良くなった人という感じ。私に対して嫌なことはちゃんと伝えて来てくれたし、ワガママも言い放題だった。母親に怒られた後に私のほうに寄って来るところがかわいかったですね。
でも、私と妻との間に子どもが産まれてから、長女はワガママを一切言って来なくなりました。お姉ちゃんとしての自覚が芽生えたと始めは思っていたのですが……」
達也さん夫婦はその後に男の子も授かり、連れ子の長女、再婚後に授かった次女、長男と5人家族になった。長女は現在中学生に。今長女との会話は一切ないというが、その理由は思春期特有のものだけではないという。
「長女が中学に上がって、スマホを持たせたんです。娘はSNSが原因で友人たちと揉めていじめではないものの仲間外れに遭っているようで、母親に相談していました。それを聞いて、私は娘のSNSが気になって、見てしまったんです。その友人とのやりとりの中には、私のことを“気持ち悪い”と書いてありました。『再婚してすぐに子ども作って、ずっと気持ち悪い』と。あのときからずっと? と思うと、もうどう接していいのかわからないんですよね。
自分のときのように大学生ぐらいになったら修復されるのかな。何を考えているのか、区別するわけじゃないけれど、他の2人の子どもよりもわかりません」
アンケートでは、子連れが再婚の弊害にはならないとの結果だったが、その後はどうなっているのかの調査はない。子連れ再婚のハードルが下がったことは一見喜ばしいことだが、その後の連れ子の人生を左右すると考えると、いい結果だけとは言い難いだろう。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。