取材・文/ふじのあやこ
厚生労働省が発表した「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)」では、2021年度の婚姻件数は 50万1116組、離婚件数は18万4386組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。
真子さん(仮名・44歳)は16歳上の上司と不倫関係になり、真子さんが30歳のときに相手の離婚が成立。その1年後に入籍した。【~その1~はコチラ】
最愛の人から何もない夫に変わった
新婚生活は真子さんが独身時代に購入していた兵庫県内にあるマンションで。入籍する前から相手はそのマンションでほぼ生活しており、その延長で楽しく生活を送れる、はずだった。しかし、同棲と結婚生活では一緒にいることで感じることが大きく異なったという。
「マンションは一人暮らしの家賃ぐらいの返済で良かったので、私だけでも返済は可能でしたが、夫婦となって一緒に暮らすのであれば夫にも負担してもらえると思っていました。でも、夫から家のお金の話は一切出てこなかった。新しい家電などを買い替えるときには夫は出してくれましたが、その他は『食費や光熱費に使って』と5万円ほど渡されるだけ。月によっては4万円のときもありました。息子が大学生で学費などを負担していることは知っていましたが、その分の我慢を私がしないといけないことにはもやもやしましたね」
さらに、真子さん夫婦は、夫婦になる以前からレス状態で子どもを望めない可能性が高かった。
「付き合って、ちゃんと関係があったのは2年ほどです。当時は、私もそこまでその行為が好きではなかったし、体の関係ではなく精神的なもので私を必要としてくれているのが嬉しかったから、あまり気にしていませんでした。
でも、結婚すると夫の子どもが欲しくなりました。私はまだ30代前半だったし、夫の年齢はあってもまだ不可能ではないはずなのに……と不満がたまっていきましたね」
夫は数年前からEDであり、治療も望んでいないことがわかる。お金もない、子どもも望めない夫婦生活では満たされない思いが日々強くなり、結果、結婚生活は6年で終了してしまった。
「『この人、何の役にも立たないんだ』って思ってしまったら、あんなにあったはずの愛情が一気に冷めてしまって……。それでも、一緒にいれば情みたいなものが湧いてくるはずと何度もいいところをちゃんと見つけようと頑張ったんですが、無理でした。夫のほうも私からの離婚をあっさり受け入れていたので、離婚の話し合いのときには2人の間には情さえも残っていなかったんだと思います」
【一緒にいて不安になった前夫と、一緒にいて不安を忘れさせてくれる現夫。次ページに続きます】