一緒にいて不安になった元夫と、一緒にいて不安を忘れさせてくれる現夫

元夫が家から出て行った後でも寂しい思いはなかったと振り返る真子さん。貯金のほとんどはマンションの頭金に消えていても、仕事と家があるという安心があったという。今の夫と結婚したのは離婚から5年後、出会いは職場だった。

「夫は10歳上の元上司。新卒で入った職場で前の夫と出会ったことで転職したのですが、その職場の上司です。結婚したことで部署が移動となったので今は元上司です。

今の夫は、私が前の夫と結婚している間も離婚してからも、関係性はただの上司と部下でした。なんならちょっと苦手だなと思っていて距離を置いていた人です。それなのに、離婚後に食事に誘われるようになって、少しずつ仲良くなっていきました」

今の夫もバツイチ。同じ職場で働く中でお互いに関係ないところでバツイチとなり、今の関係に至る。再婚に踏み切った理由は「私をちゃんと数に含めて行動してくれる」ところとコロナ禍だったという。

「前夫は私がお願いしたら一緒に何かをしてくれましたが、お願いしなければ勝手に1人で何でもしてしまうタイプ。それを必死に追いかけていた頃は良かったけれど、いざ夫婦として横に並んで生活してみるとただの自分勝手にしか見えませんでした。

今の夫も相談なしに勝手に決めてしまうことも多いのですが、その決め事には“2人で行動すること”が基本にあるんです。上司と部下の関係だったときはその勝手さが苦手だったんですけど、夫婦になると引っ張っていってくれることが心地よかった。新型コロナという未知のウイルスで不安だったときだからこそ、引っ張っていってくれることが安心につながりました」

令和2年度の司法統計によると、婚姻関係事件(離婚調停)の申し立て理由のランキングの女性側の1位は「性格の不一致」で、2位が「生活費を渡さない」となっている。

今は夫婦で大阪市内にあるマンションで生活しており、真子さんが29歳のときに購入したマンションは賃貸物件にして家賃収入を得ている。僅かな賃貸収入だがその額はすべて真子さんのお小遣いになっているそう。真子さんは2度目の結婚を経て、「結婚生活においては、愛情ももちろん大事だが、お金はそれと同じくらい大事」と感じているという。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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