「俺は高卒だから高学歴な女性が好き」

ワインの勉強は、ひたすら暗記です。ぶどうの品種、産地、種類、醸造技術、歴史などひたすら知識を叩きこみ、味覚と嗅覚を磨いていく。

「大学受験を経験していると、勉強のコツみたいなものがあります。私は座学が得意で、勉強のコツを彼に教えるようになったんです。彼は人との距離が近く、“春奈ちゃん”と呼び、気が付いたらベッドにいました。私は何年もそういうことがなかったのですが、彼が優しいのでそのことさえ忘れていたんです」

すべてが終わった後、「俺、高卒だから春奈ちゃんみたいに頭がいい、高学歴な人が好き」と言ったときに、春奈さんは「この人と結婚したい」と思うようになる。

「あるとき、ずっと一緒にいたい、と言ったら“結婚しちゃう?”と言われました。それでウチの両親に挨拶に行くと、最初に聞いたのは“どちらの大学を出ているの?”でした。彼が高卒だと言うと、明らかに態度を悪くしている。母は帰り際に“なんで大学を出ている人と結婚しないんだ”と激怒したんです。人の価値を学歴で決める親は最低だと思いました」

反対されるほど恋は燃える。そのまま交際半年で結婚。夫は春奈さんのマンションに転がり込んだ。貯金も0円だったそうです。

「私にお金があるから、いいかな……って。一緒に暮らしてわかったんですが、夫はだらしない。何かを食べたらそのまま放置。お菓子の袋はそのまま、カップラーメンはスープを残したまま置いておくんです。耐えがたいのはペットボトルの飲料を買って来て、半分飲んで置いておくこと。そこに吸い殻が入っていることもあり、それが許せませんでした」

春奈さんが理詰めで注意をすると、「俺、バカだから覚えられない」と逃げる。

「飲食店に勤務しているのに衛生意識が希薄だと言い、日常生活の乱れは仕事にも表れること。今まで私が出会ってきた、一流のマネージャーや料理人は、生活もきちんとしており、それは暗記能力ではなく習慣だと噛んで含めるように言ったのですが、全く響いていない」とのこと。小言を続けるうちに「俺のことをバカにしているんだろう」と言うようになったそう。

「週に1回程度はあった夫婦生活もなくなり、私を無視するように。あるとき、夫のズボンから女性用香水のレシートが出てきたんです。問い詰めたら、“娘のプレゼントだ”と言うんです。没交渉なのにおかしい」

これは浮気をしている可能性が高い。春奈さんは「せっかく結婚したのに、離婚したら世間にバカにされる。離婚するなら私が悪くないという証明が欲しいんです」と言い、調査に入ることにしました。

【類は友を呼び、軽率な女性と一緒に向かった先は……その2に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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