取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
麻美さん(仮名・40歳)は、23歳のときに14歳上で10歳の女の子を育てる男性と結婚。麻美さんは仕事を続けながら3人家族の家事を行うも、余裕は一切ない状態。娘の求めるように同じ時間を過ごすことができず、娘から嫌がらせを受けるようになる。【~その1~はコチラ】
元夫からしたら、私は元妻の二の舞だった
麻美さんは朝目覚める度に「娘に笑顔で接しないと夫から冷たくされてしまう」という思いがあったそう。
「娘のためではなく、夫と仲良くしたいため、つまり自分のために娘との関係をこれ以上悪化させてはいけないと思っていました。洗濯カゴに入れたはずの私の洗濯物がその横にあるごみ箱に捨てられていたとしても、もう怒る気さえなくて、見て見ぬ振りをし続けたんです。向き合ってしまうとひどい言葉しか出てこないと思ったから、娘を避けるしかなかったんです」
娘は月に一度実母との交流を続けていた。娘と実母の関係は良好そうに見えたことから夫に「なぜ子どもを引き取ったの?」と聞いたところ、その言葉が離婚への引き金になってしまったという。
「確かに元奥さんが娘を引き取ってくれたら……といった気持ちがなかったわけじゃありません。でも、離婚理由は性格の不一致だと聞いていましたし、相手の不貞行為などの理由がなければ一般的には母親のほうが子どもを引き取っていたから、軽い疑問だったんです。
そしたら、『あいつは育児放棄をして、家事もまったくしなくて家族じゃなくなった』と。離れて暮らしているからこそ、娘とは今のような良好な関係があると言っていました。そして、『また、娘は身勝手な大人に傷つけられたくないから、離婚してほしい』とその場で言われました。私は元奥さんと同じ状態になりつつあるそうです。
私のことを必要としてくれる存在は、たった3年でいなくなりました」
【今ではなく、余生で夫婦になれたらと思えた相手との出会い。次ページに続きます】