取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
優子さん(仮名・38歳)は物に対する価値観の違いから夫婦関係に亀裂が入り、夫と離婚。夫の転勤で福岡から東京に移転していた後だったが、福岡に戻らずにそこから人生初めての一人暮らしをスタートさせる。
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彼は汚部屋を見た後でも結婚を考えてくれた
人生初の一人暮らしの部屋はみるみるうちに汚れていった。しかし、そんな自由な生活は楽しかった。新しい自分を知るような機会だったと優子さんは振り返る。
「私は何もかもが汚くても平気じゃなくて、口に触れるものは清潔にしておきたいというところがあったんです。でも、洗い物は基本嫌なので、お皿にラップを貼って、汚れないように使っていました。
それに、一度汚れてしまったらどうでもいいんですが、まだキレイなものはそのまま保っていたいという思いも私の中にあるようで。掃除しようと大きなゴミ箱を買ったんですが、その中にゴミを入れることができなくて、結局ゴミ袋をそのまま使って見た目の悪い部屋になり、掃除するという意欲がそがれていきました。もちろん片付けなければという気持ちはあるんですけど、自分のためだけだったら動き出すのにすごい時間がかかるんです。私の中では料理と同じで、掃除は自分のために頑張れるものではないってことにも気づきましたね」
東京では派遣社員として働く中、職場の1歳下の男性社員と恋愛関係に。付き合って半年のときに汚部屋がバレるも、相手から「結婚を考えてほしい」と伝えられる。
「半年ぐらいは相手の家のほうが会社に近かったのでほとんどそっちで一緒にいるようになってごまかしていたんですけど、『なんで家に呼んでくれないのか』と浮気などを疑われるようになって断れませんでした。
一応最初は必死に片付けていたんですが、急に来られたときにバレてしまって。それを見て、『一緒に片付けよう』と言ってくれました。それを見た後だったのに、私との結婚を考えてもくれたんです」
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