取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
紗枝さん(仮名・41歳)は25歳で結婚するも、相手の浮気が最悪のかたちで発覚して、結婚生活は4年で終了。夫と不倫相手から200万円ずつの慰謝料に加え、財産分与として100万ちょっとが手に入った。
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貯金がなくなり、生活の不安を結婚で埋めようと思った
離婚後は収入はゼロながら13万のマンションで一人暮らしをスタートさせる。今までずっと貯金などできたことはなく、通帳に並ぶ多くのゼロに離婚の痛みはすっかり消えていたという。
「高校のときからアルバイトをしても、その額はわずかで、友人から浮かないように必要なものを買うだけでした。社会人になってからも一人暮らしができるまで貯金するのに5年弱もかかりましたし。離婚の慰謝料というかたちだったけれど、初めて自由に使えるお金が手に入り、そのおかげでこんな広い家に住むことができた。不倫が発覚したときの夫の情けない姿で気持ちはキレイになくなったので、離婚して良かったとさえ思っていました」
別のスナックで働き始めるも、あまりお酒が得意ではない紗枝さんは働けて週に3、4日。収入と支出が釣り合わずに貯金はどんどんなくなっていった。そして貯金は3年弱で底をつき、昼の仕事を始めつつ、義兄に助けてもらいながらもマンションの引っ越しは考えなかったという。その代わりに、婚活をスタートさせた。
「マンションは賃貸なんですけど、自分の城だから離れたくなかったんです。昼と夜の仕事と、義兄に母への仕送りを肩代わりしてもらってなんとか生活を続けていました。姉にはあきれられていましたけど、専業主婦なのにいい暮らしをしている姉に私の気持ちに共感しろといっても無理ですから。
婚活を始めたのは、自分の生活を安定させたいから。貯金がなくなると不安で仕方ないのに、昔のように節約するような生活には戻りたくなかった。こんな目的で再婚しようとしているなんて誰にも言えませんでした」
【将来のお金の不安と介護要員が嚙み合った。次ページに続きます】