取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「最初の結婚相手も、二度目に結婚してもいいと思った相手も子持ちでした。一度目は子どもと憎しみ合う関係にしかなれなかったから、結婚はもう二度としたくないと思っていたんです」と語るのは、麻美さん(仮名・40歳)。麻美さんは23歳のときに同じ職場の上司と結婚。結婚と同時に10歳の女の子の継母になった。

結婚前から3人の生活は想像できていた

麻美さんは千葉県出身で、両親と2歳下に弟のいる4人家族。両親は家族経営のお店を営んでおり、土日も関係なく多忙。学校行事には仕事を休んで来てくれていたというが、それに対して罪悪感があったと振り返る。

「祖父母の代からお店をやっていて、それを父と弟(叔父)で受け継いでいました。そんなに大きなお店ではなく、家族経営で外から人を入れていなかったから、家族行事に休むことには寛大だったみたいです。しかし、そこには貸し借りのようところがあって、両親がよく叔父家族が休まれて困っている姿を見ていたので、無理して休んだ両親にも、負担をかけた叔父にも申し訳ないなって思っていました。『学校行事には来てくれなくていいよ』という言葉を毎回飲み込んでいましたね」

麻美さんの主体性を尊重してくれる両親だったが、最初の結婚には大反対。相手は14歳上の上司であり、勤めて1年とちょっとという期間での結婚にも疑問があったという。しかし、麻美さん本人は3人で暮らすことに不思議なくらい前向きだった。

「私は専門学校に進んで簿記の資格を取り、家族の仕事を手伝うために飲食店チェーンを展開する企業に就職しました。そこで夫と出会いました。

最初はもちろん恋愛感情なんてなかったんですが、シングルファーザーとして娘さんをしっかりと育てている姿や職場での仕事ができる姿などを見て、私のほうから好きになったんです。娘とも結婚前から交流があって、メイクに興味があったみたいで一緒にメイクの本を買って勉強したりと仲良くしていました。だから、3人での結婚生活も想像できていましたから。

両親は結局私の熱意に負けて、認めてくれました。ただし、条件付きで。それは“仕事はやめない”というものでした」

【空気を読まない娘がだんだんかわいくなくなっていった。次ページに続きます】

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