取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
希望さん(仮名・42歳)は子どもを持つことで意見がすれ違い、結婚生活は7年で終了。子どもを望んでいた希望さんが次に付き合ったのは10歳下の男性だった。
【~その1~はコチラ】
子どもを授かる確率が低くなったとき、結婚という制度に沿う意味は?
付き合っていく中で関係は順調も、あれだけ子どもが欲しかった希望さんは相手に「付き合いは結婚前提」とさえ言い出せなかった。
「婚活の場での出会いだったら暗黙の了解で結婚前提ということなのでしょうが、職場での出会いで10歳も下の男性に結婚前提を伝えたら重いだろうと思って、何の約束もしないままに付き合ってしまいました。
離婚してから6年で私はもう38歳。子どもを諦めないといけない年齢に差し掛かっていた。できるかできないかわからない未来よりも、やっとできた好きな人との今を大切にしたい、と思うようになっていきました。そうすることで、子どものことを忘れたい、忘れられると思っていました」
「このままいけばいずれは結婚できるかもしれないけれど、子どもは諦めないといけない」という思いを抱え続けていた40歳の誕生日の1か月前に、相手からプロポーズを受けたという。しかし、希望さんは籍を入れない“事実婚”を提案した。
「すごく嬉しかったです。でも、周囲、相手の家族から絶対に反対されると怖くなったんです。相手が『親に会ってほしい』と言われたときに急に現実が襲ってきました。『あ、相手の親とのつき合いは私が年上、バツイチというマイナスからスタートするんだ』って。
それに子どもを望める可能性が低くなった年齢で、マイナススタートしてまで結婚という制度に沿う意味があるのかなって。彼は今の関係から進展したいということなのでしょうから、『今のままでいい』は納得してくれないし、断っているような感じにもなる。だから、提案したのが“事実婚”だったのです」
【子どものいない人生を一緒に楽しめることがただ幸せ。次ページに続きます】