取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「一度目の結婚は夫婦生活ができなくて別れることになりました。家族になったのに、男として夫と付き合っていくことに違和感があったのです」と語るのは、律子さん(仮名・45歳)。現在は2度目の結婚をしており、夫と2人暮らしをしている。1度目の結婚は27歳のとき。大学で知り合った男性と遠距離を経て、結婚した。

家族と元夫の間には笑顔しかなかった

律子さんは大阪府出身で、両親と5歳下に弟のいる4人家族。両親の仲は良く、容姿が整っていて勉強ができる自慢の弟とも仲が良かった。家族との関係は今も良好だという。

「親はどちらもまったく厳しくなくて、どちらかといえば放任主義。私のしたいことを全部させてくれました。弟とも思春期こそ仲の悪い時期もありましたけど、今も連絡を取り合っています。弟は結婚して東京で暮らしていて、義妹とも2人で遊んだりするくらい、親族との仲は今も昔も良好ですね」

律子さんは地元の女子大に進み、最初の夫は女子大近くの大学に通っており、合コンで知り合った。実家暮らしだった律子さんに頻繁に会いに来ていたことで、相手と律子さん家族との関係も良好だった。

「近くの大学ということで頻繁に合コンが開催されていたんです。受け継がれているルートがあったみたいで。そこで元夫と知り合いました。夫は社交的な性格で、合コンでは人一倍声を出して、盛り上げていました。私は端っこにいて静かに飲んでいたんですけど、なぜか目を付けられてしまって。誘われるがままに遊びに行くようになり、付き合うまでの期間は1か月もなかったですね。

夫の社交的なところにうちの両親や弟もすぐに懐柔されて、私が帰る前に実家で寛いでいることもありました。結婚が決まったときは家族全員が『遅かった』と言っていたぐらい、学生の頃から親族全員が希望していたレールでした」

【私の中では“家族”に夫婦生活は含まれていなかった。次ページに続きます】

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