たぶん、教授とも関係を持っていたのではないか

聡子さんは、真面目で地味で控えめなのに、男から注目される。その結果、大学でも孤立していた。

「彼氏を寝取られたとか、教授にかわいがられているとか、今でいう“枕”をしているとか、聡子には男女の噂が付きまとっていました。だから私は“聡子の友達でいなくては”という気持ちも強かった。それにやはり聡子は魅力的なんですよ。人の心がどう動くかをよく見ているし、孤独に寄り添ってくれる。そういう聡子の魅力に気が付ける自分は特別だと思っていました」

玲子さんは、竹を割ったような性格だ。金銭的に恵まれた家庭で、両親と祖父母の愛情をたっぷり受けて育っている。嫌なことには「NO」と言い、はきはきと意見も述べる。思ったことはポンポンと口から出てくる。

「聡子とは真逆。だから続いたのかもしれない。絶交した今、振り返ると私はすべてを持っているつもりでいたけれど、そうではなかった。私も聡子のように男性に甘やかされたかったのかもしれない。男に甘えられるかどうかというのは、就職活動時に如実に出ましたね。聡子は航空会社や出版社の内定をもらったんです。あれは教授と関係を持っていたからなんでしょうね。私はすべて落ちて、父の会社に就職しました。28歳のときに夫と出会い、娘二人を授かったので、万事OKというところでしょうか」

卒業してからはそれぞれの仕事に忙しくなった。聡子さんは結局、総合商社に就職したが、職場いじめに巻き込まれて半年もしないうちに退職。その後、夜の仕事を行い、そこで出会った10歳年上の青年実業家と結婚する。

「最初の結婚は24歳だったかな。娘も生まれましたが相手のDVが原因で3年もしないうちに離婚。その次は大手企業に勤務するエリートで、この人とは5年くらいもったかな。40歳のときに知り合ったご主人が、先日亡くなった人で、人柄もよくできていた。聡子の娘のことを我が子のようにかわいがって、尽くしてくれた人だったんですけれどね」

【聡子は別の男と浮気をしていた……その2に続きます】

取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。連載に、 教育雑誌『みんなの教育技術』(小学館)、Webサイト『現代ビジネス』(講談社)、『Domani.jp』(小学館)などがある。『女性セブン』(小学館)、『週刊朝日』(朝日新聞出版)などに寄稿している。

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