写真はイメージです

「子どもが3歳になるまでに脳の80%が完成する」というデータが発表され、3歳までにいかに子どもと向き合い、多くの刺激を与えるかが、脳の成長に影響を与えると言われています。
そこで、東大卒の女性が母親になり、子育てについて意見交換を行う「東大卒ママの会」の著書『「東大脳」を育てる3歳までの習慣』から、3歳までの子どもの脳に良い影響を与える習慣についてご紹介します。忙しい暮らしの中でも実践できる手軽な方法なので、気負わず楽しみながら取り組んでみてください。

文/東大卒ママの会 イラスト/後藤グミ

好き嫌いをなくして脳の成長に欠かせない栄養素を摂ろう

「物心ついたころから母が料理をする姿を見るのが好きでよく台所にいました。母は旬の食材を見せてくれたり、簡単なサラダを作らせてくれたりと、自然に食材に親しませてくれました。私が作ったものを両親が喜んで食べてくれることが本当にうれしく、子どものころから料理が好きでした。好き嫌いもほとんどありません」(経済学部卒/E・O)

好き嫌いをなくすことで、脳の成長に必要な栄養素も無理なくたくさん摂ることができるはず。子どもの好き嫌いは遺伝的な要因もありますが、幼いころから果物や野菜に親しみをもって触れる環境にいる子は、好き嫌いが少ない傾向にあるといいます(※)。

実物に触れるだけ、調理のお手伝いをするだけでも食材に対する親近感がわくはずです。たとえば、トマトを洗う、レタスをちぎる、トウモロコシの皮をむく……、子どもでも簡単にできることをお願いして、食材に触れる機会を設けてみませんか。

※ Leann L. Birch, PhD, Jennifer O. Fisher, PhD.: “Development of Eating Behaviors Among Children and
Adolescents”. Pediatrics: 1998, pp. 539-549

「ワンワン」「ブーブー」などの擬音、擬態語は使わない

子どもとの会話で気をつけたいこととして、東大卒ママの会でよく話題に出るのが次のふたつ。

一、「状況説明を含めて具体的に会話をする」。
二、「正しい日本語で話す」です。

子どもが「ブーブー」と机の上のミニカーを指して言ったら、「これ欲しいの?」と聞くのではなく「机の上にある、この赤い車が欲しいの?」と具体的にたずねたほうが、子どもはたくさんの単語に触れられます(※) 。

実際東大卒ママの多くの親たちも「ブーブー」ではなく「車」と言い換えて、正しい日本語を使うように努めてくれたそうです。親がいつまでも擬音語を使っていては、子どもが正しい日本語を覚える機会がないと思ったからだといいます。

「私を含め東大卒ママたちは1歳半で約160語話していたそうです。私の息子も1歳半で約150語を発語したのは、この方法を実践した成果だと思っています」(農学部卒/Y・U)

※ Dana Suskind, Beth Suskind, Leslie Lewinter-Suskindana.: ”Thirty million words:Building a child’s
brain”, Dutton Books, 2015

「連想ゲーム」や「しりとり」などの言葉遊びは頭の回転を速くする


「娘は車の中でしりとりなどの言葉遊びをよくせがんできました。親にとっては長くつらい時間でしたが、そのおかげで娘はいろいろな言葉を覚えておしゃべりでしたし、頭の回転もよくなったのではないかと思っています」(経済学部卒/E・Oの母)

多くの東大卒ママは小さいころにたくさん言葉遊びのゲームをしています。まだひらがなが読めないころは連想ゲーム。これは親が「動物」とお題を出し、親子交互に「ウサギ」「ネコ」「ゾウ」……と、たくさんの言葉を探すことで語彙力を高めるゲームです。ひらがなが読めるようになったら、しりとりにレベルアップ。しりとりをするとき、子どもは相手のあげた言葉の映像と、次の頭文字となる文字を頭の中でイメージして言葉を繋げます(※)。

そのため単語数を増やすだけでなく、ひらがなの形と音を紐づけて学べます。単語を繋げられたときは達成感があるので、進んで取り組んでくれるはずです。

※ 高橋 登 :「幼児のことば遊びの発達 : “しりとり” を可能にする条件の分析」(『発達心理学研究』8巻1号) : 1997, pp. 42-52

* * *

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東大卒ママの会(とうだいそつままのかい)
東京大学卒業(2010年~2011年)の現役子育てグループ。主要メンバーは7名。東大出身者が受けてきた幼児教育に、子育てママ世代の関心が高いことに着目し、そのネットワークを活かし、東大OBOGたちへのヒアリングやアンケートを行う。これらデータを基に「東大生の幼少期の習慣」を分析し、現役ママの目線も取り入れて、“今すぐできる幼児教育”の実践方法を提案している。

 

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