婿は美貌の維持のためにもお金を使っていた
16時に新宿にあるマンションに入って行きました。そこから朝まで動きはない。長期戦を覚悟して待っていたら、翌朝9時に20代後半と思しき胸の大きな女性と一緒に出てきました。長く一緒にいる男女特有の倦怠感があり、婿がリラックスしていることがわかります。
女性を追うとパチンコ店の開店行列に並び、11時にパチンコ店が開くと、8時間ぶっ続けで打ち続けていたのです。
婿は美容系のクリニックに入って行き、1時間程度で出てきました。おそらく、美貌の維持にお金をかけているのでしょう。その後、再びマンションに戻り、19時まで過ごして、依頼者・道子さんの娘が住む家へと帰って行きました。
その後、調査をすると、婿は離婚歴が3回あり、定職には就いておらず、娘に話していたことは名前以外のほとんどがウソ。外資系の保険会社の名刺は偽造したものでした。また、結婚式に来ていた両親という人も、婿が雇った人だったことも分かったのです。
新宿で一緒に住んでいる女性は、婿の高校時代から付き合っている彼女で、病気で働けない。婿は深い考えもなく、彼女の生活を支えており、借金の原因は彼女のギャンブル依存症と、婿の浪費。あとは生活費でした。婿のように「ウソでウソを重ねて、自分でも実態がわからなくなっている」という人は意外といます。
以上の結果を報告すると、道子さんは「この男、私の父に似ています」と驚いていました。道子さんの父も、家族にウソと借金を重ね、道子さんが17歳のときに両親が離婚。その数年後、父は45歳で自死の道を選んだそうです。
道子さんは、「負の連鎖を断ち切ろうと思ったら、こんなことがあるなんて。孫が欲しいだなんて言わなければよかった」と泣いていました。その肩を抱く夫に、夫婦の愛情と歳月の深さを感じました。
破綻するまで人生を暴走させてしまう心の闇。娘にこのことを報告すると、「借金癖は知っていたけれど、こんなことに使っていたんだ」と離婚を決めたそうです。
「娘は借金について、聞こうと思っても、婿の顔を見ると何も言えなくなると言っており、調査をしてよかったです。たった2年の結婚生活で、娘の700万円の貯金はスッカラカンだそう。とりあえず離婚して、実家に戻ってくる方向で話を進めています」
お見合い結婚であれ、恋愛結婚であれ、スマホが普及するまで、結婚する際に相手の背景を第三者(友人、親戚、同僚、紹介者など)から「ウソのつきようのない情報」を得て、判断してました。
しかし、アプリでの出会いは、その第三者の介在がない。身分証明書も写真もいくらでも加工できますし、両親や友達さえも他人がなりすますことができる。そんな時代を生きていると自覚し、自衛することが大切なのではないでしょうか。
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/