男性の探偵が、男性向けの成人のお店に同行
息子はひとりで、成人男性向けのサービス店に入っていきました。ここは大衆的な価格なので、ペアの探偵が潜入。聞き込みだけをして出てくると、そこで働く女性から、様々なことを聞いたのです。
まず、息子ようなタイプの男性は、夜の街の毒気にあてられ“いい気”になるので、「金払いがいい上客」とみなされる。その結果、お金が底をつくまで長期間にわたって“お客様”としてチヤホヤされること。
それに気をよくしてしまい、キャバクラで働く女性のために、一晩で数百万円を使ってしまうような状況に自らなってしまう。お金をどれだけ積んでも、夜の世界の仲間には入れない。それを実感したくて、さらにお金を積むという負のループにハマっていることなどです。
店で働く女性は「これを抜けるには、連絡先をすべて断ち切って、街に足を踏み入れないことなんだけどね」と言っていたとか。
息子はその日、夜までぶらぶらとファミレスなどで過ごし、自宅に帰っていきました。
以上の様子を、依頼者である父・直和さんに報告しました。
「こんなことになっていたんですか」と絶句していました。報告書を見ながら、10歳ほど老けてしまったようにも感じました。
「今後のことは嫁に相談します」と言い、帰って行ったのです。
それから1か月後、息子夫婦は別居。最初、嫁は「なんとか立て直しましょう。これは依存症ともいえますね」と冷静に対処していたのですが、本人にその自覚がないために、暴言を吐くなどして、手に負えなくなってしまった。その後、嫁は娘たちと家を出て行ったそうです。
「ただ、クリニックは通常通り運営しており、息子も患者さんへの責任感で通っているそうです。嫁は“依存症を立て直すには、あの人の場合仕事しかないですよ”と冷静にサポートしてくれているようです。嫁としては、ここで恩を売り、その後息子をしっかり働かせる魂胆なんでしょう。でも、それでもいい。首の皮一枚で繋がっていることを息子が自覚し、医師としての責任を全うしてほしいと思います」
探偵の仕事をしていると、「我が子を調査してほしい」という案件が増え続けています。社会的地位が高い息子や娘の「裏の顔」が露呈することが多いです。会社のお金を数千万単位で使い込んだ人、ホストに入れあげた人など、無意識のうちに「超えてはいけない一線」を越えてしまう人も多いです。
親はそのような現実を見ても、10~20代の頃のように、力で押さえつけるわけにはいかず、協力者とともに、時間をかけて解決策を探っていくことが大切なのかもしれません。
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/