関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、熟年夫婦、そして我が子や孫を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

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外では「いい夫・家では暴君」と30年、もう離婚したい

今回の依頼者は、祥子さん(56歳)。グレイヘアを美しくまとめたヘアスタイルと、ハイブランドで全身を整えたファッションが魅力的な女性です。体は鍛えられており、若々しいのですが、顔がげっそりと疲れている。

こういう方の多くは、「もう主人と離婚したい」と意を決して私のところに相談に来る方が多いです。そして「どうせ離婚をするなら、今までの慰謝料代わりにすべてをふんだくってやりたい」と続けます。まさに祥子さんもそのタイプでした。

「もう主人(60歳)とは限界なんです。30年間、私はホントに召使い状態だったんです。主人が帰ってくる時間に合わせて、食事を整えて風呂を入れる。ビールの1杯目は指定のグラスで、それも冷やしておかないとダメ。家事は一切しない。靴下も服も脱いだ場所にそのまま放置。私、主人の靴下を、何度裏返して洗濯したかわかりません」

そのことを娘(28歳)にこぼしたら、娘は「ママ、365日×30年でしょ。靴下は2つあるから、2倍すると21900回、靴下を裏返して洗っているんだよ」と笑ったそう。

「その顔が主人にそっくり。この子が中学・高校時代も靴下を裏返して洗っていたと思うと、さらにその回数は上乗せされる。その数にうんざりして、離婚を思い立ったのです」

夫は外ではいい夫を演じるという。

「会社を経営していて、変なカリスマ性みたいなものがあるんです。それが若い頃は魅力だったのですが、結婚してみればただの暴君。でも、外ではいい顔をするんですよ。社員を集めたバーベキュー大会や、子供会の行事では“君は座っていなよ”などと言って、てきぱきと働く。それを見ている近所の人や社員は、“この人は家でも家事をする”と思い込むじゃないですか。でも家に帰ると何もせずに、“ビール”“お茶”などと偉そうに言うんです」

それから1時間程度、祥子さんの夫のグチは続きました。状況を改善しようとしても、「オマエは俺の女房だろう」と言われると、言葉に詰まってしまう。

「私の世代は、男の人を立ててこそ女とか、耐え忍ぶ妻がエライみたいな教育がされていたし、そういうドラマも多かったですからね」

【離婚したい本心は、別のところにあるのではないかという探偵の直感が的中……次のページに続きます】

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