取材・文/ふじのあやこ
厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。
「大きな裏切りに遭い、離婚に至ったときはもう二度と結婚はしないと思っていました。年老いた父が結婚にとても喜んでくれていたのに裏切ってしまった。それを繰り返さないためには結婚というリスクを抱えたくないと思っていました」と語るのは、里香さん(仮名・40歳)。離婚の原因は元夫の自宅連れ込み不倫だった。
待望の一人娘は順風満帆な人生ルートを歩み、25歳で結婚
里香さんは大阪府出身で、両親との3人家族。両親の年齢差は11歳で長い不妊期間もあり、里香さんを授かったときには父親は40歳を超えていたという。
「両親の結婚秘話については詳しく聞いてはいませんが、私はやっと授かった子どもだと母や祖母から聞いていました。
父は今自分の年齢を加味して考えると、50歳手前で子どもの世話は本当にしんどかっただろうなって思います。私は活発な子で、週末の度にプールやキャンプ、遊園地や公園など色んなところに連れて行ってもらいました。私だけでなく、私の友人も含めた何人もの面倒を父親は見てくれるときもありました。家でゆっくりとした週末を過ごしたい日も絶対にあったはずなのに。
遅くにできた子あるあるかもしれませんが、父は私の我がままにも嫌な顔一つせずに一緒に遊んでくれた記憶が残っています」
里香さんは女子大を卒業後に飲食チェーンを展開する企業に就職。店舗勤務ではなく本部で事務の仕事を始め、最初の結婚の相手は店舗の店長を任されていた先輩社員だった。
「仕事で関わり合いになる機会はあまりなかったんですが、社内に共通の知り合いがいて複数で一緒に飲むグループみたいなものができていました。元夫とはその飲み会で仲良くなり、付き合うように。結婚までの交際期間は3年、25歳のときに結婚しました」
【結婚式の集合写真に不倫相手は写っていた。次ページに続きます】