取材・文/ふじのあやこ

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った奈々子さん(仮名・39歳)は26歳のときに結婚、現在は旦那さまと2人の子どもと4人で暮らしています。奈々子さんは神奈川県出身で、小さい頃に両親が離婚。母親は奈々子さんが19歳のときに再婚して、そこから母親夫婦とは別々に暮らしていました。奈々子さん自身は離婚後から結婚までずっと祖父母の家で暮らしており、母親よりも祖父母とのほうが距離が近いと言います。

「母親のことも、母の旦那さんのことも嫌いではありません。でも、19歳のときに別々の道を生きていくことになったという感じです。母親は一緒に暮らそうと私を新居に呼ぼうとしてくれましたけど、私のほうから拒否しました。もう親にベッタリする年齢でもなかったし、確実にお邪魔虫ですから。友人も母親とベタベタしている子もいればさっぱりしている子もいて、特に自分の家が変とかも思っていません」

出産直後に関係は良くなるも、子どもの成長に伴い亀裂が……

不妊治療をスタートする前に妊娠が発覚した奈々子さんは臨月になったときに祖父母の家に帰省。産後2か月弱は祖父母の家で過ごす中で母親も定期的に様子を見に来てくれて、甲斐甲斐しく赤ちゃんの世話をしてくれたそう。

「一度も暮らしたことがない母親の家に里帰り出産はないですよね。選択肢にさえ入りませんでした。祖母はまだ元気だったので甘えさせてもらった感じです。

帰省してからは祖母が呼んだのか、母親が勝手に来たのがわかりませんが、出産後は仕事をしているからほとんど夜だけですがほぼ毎日遊びに来ていました。これが孫パワーかと思いましたね(苦笑)」

新居に戻り3人暮らしがスタートしてからも定期的に祖父母の家に行き、義両親の家との交流も子どもが生まれてから活発になっていきます。双方の家を行き来する中で、奈々子さんが交流をしんどいと思ったのは義家族ではなく、祖父母や母親のほうだったとか。

「距離が近いと、みんな遠慮なくものを言いますよね。私の子どもは小さい頃からすごくよく泣くし、ご飯は全然食べませんでした。他の子よりも言葉を話すのもすごく遅くて……。その度に祖母も母親も『こんなに好き嫌いしているから他の子より小さく発達が遅れている』『こんなに泣き続けるのは発達障害じゃないのか』とか、子どもを見る度に心が苦しくなるようなことばかり言ってくるんです。心配してくれているのはわかるんですが……、そんなこと私が一番不安だよ! って家に戻ってから夫の前で泣くことも多かったです」

【子どもの“悪いところ”ではなく、“個性”だと思え。次ページに続きます】

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