コロナ禍にあって、人とコミュニケーションをとる機会は以前より格段と少なくなってきています。しかし、人は「自分のことを話したい」という欲求を持っているといいます。人と会話する機会に話をうまく聞くことができれば、コミュニケーションの質が高まり、相手との関係を良好に保つことができるでしょう。

そこで、累計100万部のベストセラー『人は話し方が9割』の著者、永松茂久さんの『人は聞き方が9割』から、人とのコミュニケーションがうまくいく「聞き方」のコツをご紹介します。

文・永松茂久

聞く人の7つのメリット

1.語彙力が少なくてすむ

話すためには膨大な数の語彙力が必要となりますし、語彙力を増やすためには大きな努力と継続が求められます。
しかし、聞く側になると、語彙力の必要性は大きく下がります。「へー」「はー」「そうなんですか」「なるほど」「勉強になります」……。こういった言葉を繰り返しながら相手の話題を引き出していくということになりますが、聞く時の単語はどれだけリストアップしても、100個もあれば十分です。

何万もの語彙力を必要とする話す作業。100個前後の語彙力を、会話に合わせてうまく使いこなしていくという聞く作業。どちらが簡単にできるかは考えればすぐにわかります。聞く作業には話すよりも、はるかに語彙力が求められないのです。

2.聞くことは読書と同じ

「読書をする人はうまくいく」

これはいつの時代も言われ続けてきたことです。普通に考えればこれは真理です。当たり前ですよね。

自分の中にインプットの量が増えるのですから。しかし現代はいろんなメディアが発達し、世の中が複雑になっているため、なかなか本を読むという機会が減ってしまうのも仕方のないこと。

ところが目線を変えれば、人の話を聞くということは、目と耳という情報経路が違うだけで、知恵や知識、情報というものを自分にインプットするという意味では読書とほとんど同じと言えます。人の話を聞くということは、コンテンツを耳から入れている状態とも言えるのです。

3.人の感情が読めるようになる

日本には「行間を読む」という、文章と文章の間から、著者の意図を汲み取ろうという、世界に比類のない文化があります。人の話をよく聞くということは、言い換えれば、その言葉の奥にある感情、つまり行間を読む訓練になると言えます。

人は誰もが、言葉の表層部分だけでは表現できない感情を秘めています。人の話をよく聞くということは、イコール人の感情をしっかりと読み取るということにつながるのです。

4.相手を不快にさせるリスクが減る

人を話だけで納得させるというのは、とても難しいことです。相手のことを理解する前に一方的に話を進めるということは、ともすれば相手にとって触れてほしくない部分を刺激してしまうおそれもあります。

自分にとっては良かれと思ったこと、自分は大して気にしない部分でも、相手を不快にしてしまうということもあります。たくさん話すということは、言い換えればそのリスクは高くなっていくということになります。

これに対して人の話を聞くということは、相手がどんな人で、どんなことを考え、どんな感情を持っているのかという情報を収集するということになります。聞くことにより、相手が何を求めているのかをまず知ることで、相手の興味のある話題を展開することが可能になります。

5.聞くことで自分の盲点が見えてくる

人はいろんな考え方を持っています。自分以外のすべての人が、当然、自分にない経験をしています。もちろんですが、自分の知らないこともたくさん知っています。人の話をよく聞くということは、自分の知らないことを知ることができたり、自分の盲点となっている部分に気づかせてくれるということも多々あります。

「自分は何でも知っている」という姿勢は自分の成長を止めてしまうことになります。そうではなく「周りの人から学ぼう」という姿勢を持って話を聞くことです。そうすることで、自分が体験していないことであったとしても、その時の体験、感情、知恵を擬似体験することができ、あなた自身の人生の幅が広がっていきます。

6.沈黙をおそれなくてすむ

「人と話をしている時に、話が途切れると、どうしても焦ってしまう」という言葉をよく耳にします。どうやら日本人は会話での沈黙をおそれる感情を持っているようです。

しかし、これは聞く側に回ることでそのおそれを減らすことができます。想像してみてください。あなたが人と話していて、相手が主に話す側、あなたが聞く側だったとします。話を聞いていて、突然相手が黙ったとします。

「えっとね、こんなことがあってね」
「へー、そうなんだ。よかったね」
「うん、そうなんだよ、それでね……、えっと、あれ、なんだっけ……?」
「……ん? ゆっくりで大丈夫だよ。その時どんな気分だったの?」
「……、あ、そうそう。それでね」

こんなやりとりの場合でも、聞く側に回っていれば、沈黙の間を焦ることもありません。あなたは次の会話を笑顔で待っていればいいだけ。次に会話を提供するのは相手のほうです。

そうです。沈黙のプレッシャーがかかるのは、主に話す側なのです。話すことに比べて、聞くほうが会話が途切れた時でも有利なのです。

7.勝手に人の評価が上がる

想像してみてください。今、あなたはホテルのラウンジにいます。会話こそは聞こえませんが、あなたの一番見えるところに2人の男性が座っています。片方は身振り手振りを交えながら、何やら一生懸命相手を説得しているように見えます。そしてもう1人は、きれいな姿勢で座り、ゆっくりとうなずきながら相手の話を聞いています。さあ、あなたはどちらの人に大物感を感じるでしょうか?

この問いに対して「前者!」と答える方はおそらく少ないと思います。大物感は今風に言うとカリスマ性と言い換えてもいいかもしれません。

本能的に、人はゆっくり、どっしりとしたものに異敬の念、つまりカリスマ性を感じるようになっています。ですから早口でまくしたてるように話す人よりも、しっかりと相手の話を受け入れながら聞く人のほうに魅力を感じるのです。

いかがでしょうか? 労力を使って一生懸命話しても、軽く見られてしまう側。ほとんど労力を使わずに、評価が高まる側。不思議なもので、話を聞ける人は、それだけで器が大きくゆとりを持った印象を相手に与えることになるのです。

100%好かれる聞き方のコツ

聞く側に回ったほうが、人生のあらゆる面で有利になる

イラスト ©久保久男/朝日メディアインターナショナル

* * *

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永松 茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN 代表取締役。大分県中津市生まれ。2001年、わずか3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング陽なた家は、口コミだけで県外から毎年1万人を集める大繁盛店になる。自身の経験をもとに体系化した「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施。「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累計動員数は延べ45万人にのぼる。著作業では2020年、書籍の年間累計発行部数で65万部という記録を達成し、『人は話し方が9割』の単冊売り上げで2020年ビジネス書年間ランキング1位を獲得(日販調べ)。2021年には、同じく『人は話し方が9割』が2021年書籍の年間ベストセラーランキングで総合1位(日販調べ)、ビジネス書部門でも2020年に続き、2年連続1位(日販調べ)に輝く。トーハンでも2021年ビジネス書年間ランキング1位に。著書は『人は話し方が9割』『人は聞き方が9割』『喜ばれる人になりなさい』(すばる舎)など多数あり、累計発行部数は285万部を突破している。


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