人生の後半で資金が足りなくなってしまったら、悲劇です。資金不足による「老後破産」だけは避けなければいけません。「老後破産」の主な原因を知り、それを回避するための対処法を一緒に確認しましょう。

日本人の新しい働き方、新しい生き方をサポートしている、SMILELIFE projectのファイナンシャルプランナー・藤原未来が解説します。

目次
老後資金はいくら必要?
老後破産の現状
老後資金がないときの対処法
まとめ

老後資金はいくら必要?

老後の必要資金は、下記の計算式で把握できます。
(年間支出-年間収入)× 老後の生活年数

人によって、「年間支出」額も「年間収入」額も、そして「老後の生活年数」も異なるため、一概に「いくら必要です」と答えることはできません。ですので、まずはご自身の状況をしっかり見つめることから始める必要があります。

生活レベルで変わる必要額

老後資金のシミュレーションをする時には
・世帯構成は「夫婦二人生活」なのか「独身生活」なのか
・住まいは「持ち家」なのか「賃貸」なのか
・仕事は「会社勤め」だったのか「自営業」なのか
など、基本的な前提条件によって、試算結果が大きく変わってきます

・現在の生活レベルと比較して同じレベルを「維持する」のか「下げる」のか
・要介護になったときは「在宅サービス」を選ぶか「施設入居」を選ぶのか
など、自分自身の意思も反映させながら考える必要もあります。

老後破産の現状

「老後破産」とは、老後の年金生活においてお金が底をつき生活に困る状態のことを指します。「人生100年時代」の中で、長生きリスクの最たるものが「老後破産」です。

高齢者の貧困問題は年々深刻になってきており、厚生労働省の「被保護者調査」(令和3年3月分概数)の結果によると、生活保護を受けている被保護世帯数が全国において164万世帯あるなかで、その半数以上の91万世帯が高齢者世帯で占められています。

そして注目すべき点は、そのうちのほとんどが単身世帯であり、83万世帯を超えているということです。自分には関係のないことと無計画にお金を使っていると、通帳残高が徐々に寂しくなってきて、気づいた時には取り返しのつかない状況に陥ることもまれではありません。「思いのほか長生きしてしまった」と嘆いても、そうなってからでは後の祭りです。なぜ「老後破産」に陥ってしまうのか、その原因を知ったうえで、対策を講じておくことをお勧めします。

老後破産の原因と対策

【原因1】生活支出を意識的にコントロールしていない

会社を退職後リタイアメント生活に入ると、収入は基本的には年金収入となり、その中で日々の生活費をまかなっていくことになります。年金収入よりも支出が多くなるケースが一般的で、不足する金額は毎月取り崩していくことになります。毎月の「取り崩し額」を意識することにより、「マネー寿命」(資金がゼロになる年齢)を知ることができます。

【原因2】「ゴール(目的)資金」をあらかじめ把握していない

老後の生活の中では、食費や光熱水費といった「日常生活費」とは別に「特定の目的のために必要となる資金」(=「ゴール資金」)を把握しておくことも大切です。例えば、海外旅行やゴルフを楽しむための予算や、車を買い替える費用、自宅の修繕費や孫への教育資金贈与といったある程度まとまった額が必要となる支出のことを指します。こちらも前もって計画的に準備しておかないと、貯蓄残高はあっという間に減ってしまいます。

【原因3】医療や介護にかかるコストを考えていない

「健康寿命」が100歳以上となることが理想ではありますが、高齢になればなるほど何らかの病気にかかるリスクや認知症リスク、要介護リスクなどの割合が高まります。そうなった時に、必要となる「医療費」や「介護費用」についてもある程度把握して準備をしておくに越したことはありません。

病気の種類や要介護状態のレベルにもよりますが、高額な保険外治療が必要になるケースや、入院費用や施設入居費用が多くかかるケースもあるのです。「自分は大丈夫」と考えることが最も「大丈夫ではない」結果になりやすいと考えましょう。

これらの原因を押さえたうえで対策を検討します。リタイアする65歳以降のライフプランを立てて、上記のような必要資金を、あらかじめ収支計画の中に盛り込んでおくことにより、まさかの「老後破産」を避けることができます。

老後資金がないときの対処法

もしも、老後資金が不足しそうな場合にはどうすればよいのか、対処法を考えてみましょう。

(1) 働いて収入を得る
65歳で会社を退職した後も、健康で元気であれば働くという選択肢も考えられます。働くことにより社会活動への参加や人とのコミュニケーションを継続できるので、健康寿命の延伸にもつながると言われています。

(2) 資産を運用しながら取り崩す
「お金にも働いてもらう」という発想を持って、資金の一部について資産運用を取り入れることです。すべての資金をリスクにさらすわけにはいかないので、「投資可能額」の範囲にとどめることが重要です。「投資可能額」は、ライフプランをもとに今後10年以上使う予定のない資金を言います。

(3) 支出を見直す
上記(1)と(2)の対策をとっても不安な場合は、「生活レベル」を落として支出を抑えることや、「ゴール資金」のうち、優先順位の低いものから削ることも検討せざるを得ないかもしれません。例えば、海外旅行の頻度を毎年から2年に一度に減らしたり、車の買い替え費用の予算や孫への教育資金贈与を減らすなど、あまり積極的には取り組みたくない対策ですが、最後の手段として検討します。

親の老後資金がない場合の対処法

高齢になった親の老後資金がなくなってしまうような場合には、上記のような対処法はすでに手遅れであることも考えられます。そのような場合、手段のひとつとして、自宅の「リースバック」を活用する方法があります。

「リースバック」とは、自宅を金融機関に売却して現金化したうえで、売却後も住み続けることができるしくみです。家賃の支払いが生じるので慎重に検討する必要はありますが、何よりも住み慣れた自宅で生活を継続できるところが安心です。まとまった資金を調達するための最終手段として検討に値すると考えます。

まとめ

人生の終盤において、資金不足に悩み生活を切り詰めながら残りの日々を暮らすことは、とても寂しいことです。そのような事態を避けるためにも、早めの準備を心がけましょう。ライフプランをしっかりと立てることによって、事前の対策が明確になります。自分自身で作る労力と時間を節約するためには専門家に依頼するとよいでしょう。

生命保険や投資商品を販売せず、コンサルティングに徹する独立系のファイナンシャルプランナーは、クライアントの立場に立って客観的に判断してアドバイスしてもらえるのでお勧めです。

●構成・編集/内藤知夏(京都メディアライン・http://kyotomedialine.com

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

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