さまざまな孤立を経験する中で唯一優しかった男性
都内の大学に進学したことで実家を出た幸子さんはそのまま就職も都内に決め、帰省は祖父母が亡くなったとき、兄の結婚式以外はしていないとのこと。たまに連絡をくれるのは、お兄さんだけだと言います。
「大学受験は頑張って、自分の成績よりもいいところを目指しました。それが都内の大学に行く条件だったので。無事に合格して、一人暮らしをスタートさせたときは寂しい気持ちなんて一切なくて、やっと解放されると晴れ晴れとした気持ちでした。そしてそれは今もです。
兄との関係は普通なので、両親に何かあると連絡をくれたりしますが、私が両親と仲が悪いことを知っているので帰省を勧めてきたりはしません。兄とだけは程よい距離感を保っていると思います」
幸子さんが今の旦那さまと出会ったのは28歳のとき。職場の先輩後輩の関係で、出会って1年ほどで不倫関係になってしまいます。
「先輩として仕事の相談に乗ってもらっているうちに、私のほうから好きになってしまって。勤め先はIT企業で私は転職組だったんですが、前の会社との違いに戸惑って、周囲から前評判よりも使えないというレッテルを貼られていました。そんな中、今の夫である先輩だけが親身になってくれたんです。ダメだと思って必死に気持ちは隠していたんですが、何度か仕事終わりに食事に行ったりする中で恋愛関係になりました」
不倫は未来を望んではいけないこと。別れた後に再会した彼はバツイチになっていて。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。