取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った、香織さん(仮名・38歳)は、33歳のときに結婚、現在はパート勤務をしながら都内で子どもとの3人暮らしをしています。香織さんは必要以上にフレンドリーな義家族へどう対応していいのか困っているとのこと。

「本当に良くしていただいているのですが、善意なのでと受け続けたらどんどんエスカレートしてしまったという感じです。夫は今さらと言って掛け合ってくれず、私から困っているとは言いにくいものの、そろそろ自分の中で限界が来ているような気がするのです」

今の父親とは血のつながりはない。両親との関係は大人になってからのほうが良好

香織さんは埼玉県出身で、両親との3人家族。物心つく前に両親は離婚、現在の父親とは血のつながりはないと言います。

「実の父親のことはまったく知らなくて、今の父親は中学生のときに母親が再婚してできた父親です。何不自由なく育ててもらいましたが、やっぱりある程度大きくなってからだったのでどこかで遠慮はしてしまっていると思います。私だけでなく父親のほうもそうじゃないかな。一度も怒られたことはないし、何かを反対されたことはありません。まぁ母親からもそんなに怒られていないんですけどね。私はいわゆる『世話がかからない子』だったみたいで」

両親との関係は就職してからは頼ることもうまくできなかったそうですが、結婚と出産を経てからはうまくいっているとのこと。

「大学まで出してもらって、就職してからは頼ることがなくなったというか。都内で仕事を始めて、いつでも帰れる距離なのにきっかけがなくて……。両親も2人で楽しそうにしていましたし、年に一度お正月に顔を見せに行くだけでした。

でも、結婚して子どもが生まれてからは夫と子どもという存在がいいきっかけを与えてくれて、前よりも関係は良好だと思います。両親も孫に会うのを楽しみにしてくれているみたいですから」

【義母と義妹という外堀を固めて、約2年の交際で結婚を勝ち取る。次ページに続きます

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