近すぎる距離感にイライラ。このままではいつか我慢の限界に
出産後で体調が落ち着いてきたときには義妹のお節介は一旦なくなりますが、義母はそのまま同じペースで。『本当の母親だと思って』の枕詞から拒否するタイミングを完全に失ったと言います。
「本当にありがたいんですよ。でも、私の下着まで洗ってくれたり、母乳をあげるときもそのまま側にいたり、『張ってない?』と胸に触ってきたり。別の部屋に移動しようとしたり、拒否したりしても『本当の母親だと思っていいのよ』と言いながら悲しそうにされるので移動しづらく……。挙句の果てには、私の家に泊まることも増えていきました。確かに何度も往復してもらうのは申し訳ないのですが、こっちはずっと気を張ったままになって、より余裕がなくなっていくだけなのに」
そして、今も香織さんのお誕生日パーティーは続いているとのこと。子どもと同じ量だけ届く誕生日プレゼントは、周囲に相談しても贅沢な悩みと一掃されてしまうそう。
「本当に贅沢な悩みなんでしょうね。それはわかっています。でも、義妹には私が知らないだけかもしれませんが、そこまで構っている様子もないのに、なぜ孫と同じくらい私にまだ構うのか。何かプレゼントをいただく度に使っている姿を見せなければというプレッシャーもありますし。申し訳ないからと断ってほしいと夫に何度か言ったことがありますが、もらうだけだからと取り合ってくれなくなりました。今は上手に笑えているのかさえ心配になる毎日です」
義母はさらに香織さんにも頼ってくるようになり、事あるごとの連絡に口調が強くなってしまうことがすでに起こっているそう。
「義母は家の家電やスマホ(香織さんはiPhoneで義母はandroid)などの操作がわからないときに、すぐに私に電話をかけてくるようになりました。でも操作方法なんてそれらを使っていない私がわかるわけもなく、調べるのに時間がかかってしまって。
最近一番イライラしたのは、義母の家のパソコンのパスワードを聞かれたこと。確かに一度ウイルス対策ソフトをそのパソコンにインストール際にパスワードを聞いたことはありますが、覚えていませんって。最初に設定したのは義母自身なのに、それを電話越しに聞かれても。『忘れそうなパスワードはメモってください!』と語気を強く言ってしまいました。もう爆発寸前、止める方法が見つからないのです」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。