自分の家と夫の家が対照的に見えて、夫の家が羨ましかった
大学で関西に行き、家族とは別々に。大学時代の同級生だった男性と27歳のときに結婚します。
「大学で知り合ってすぐに付き合うようになり、そのまま27歳のときに結婚しました。27歳だったのは相手の東京への転勤が決まり、結婚してついて行くことになったからです。一緒に来る?という言葉はもらいましたけど、正式なプロポーズはありませんでしたね。でも、一緒に行くことが私の中でも当然だったので」
上京する前にお互いの両親に結婚の報告することに。その中で両親の不仲に気づき、2人きりにすることが少し不安になったと言います。
「挨拶に行くということで久しぶりに両親と目を合わせて話したんですが、そこで以前よりぎこちない両親を目の当たりにしたというか。時々会話を交わしていたものの、目線は合わせている様子は一切ありませんでした。挨拶がそつなく終わった後に私は実家に一泊してまだ実家で暮らす妹から話を聞くと、一時期に何度もケンカを繰り返すようになり、その後はパッタリと口を聞かなくなったと。妹ももう少しお金が貯まったら1人暮らしをすると決めていたので、より両親の様子が心配になりました」
一方、大阪府内で暮らす旦那さまのご両親の仲は良く、専業主婦としてしっかり家を守っている印象があったそう。
「夫は3兄弟の真ん中で、結婚は一番早かったんです。義母は女の子が欲しかったからと私がお嫁に来ることを喜んでくれました。そして『一緒に上京してくれてありがとう』と。夫は社会人になってからもずっと実家から通っていて、普通なら結婚相手として嫌がるポイントかもしれませんが、私の家と違ってずっと家にいて面倒を見てくれる母親という存在が羨ましかったんですよね」
子作りへの猛プッシュは不妊治療の事実を告げたことで終わったと思えたが……。【その2に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。