医師が教える、コロナ時代の「風邪薬」の使い方
寒さも増し、本格的な風邪のシーズンが到来しました。しかし、今年の冬は、例年とはひと味違うコロナ禍での風邪対策が必要となります。そこで全薬工業株式会社（https://www.zenyaku.co.jp）は、新しい生活様式の中で風邪をひいた際に、「感染リスクを考えて、病院へは行かずに市販薬で対処したい」などのニーズを探るべく、この半年以内で市販の風邪薬を購入した人男女 500 人を対象に、緊急アンケートを実施しました。風邪をひいたときや病院へ行くことへの不安について調査しました。
病院や風邪薬、そして仕事との向き合い方についての専門家の見解も必見です。
■風邪をひいた人の72％が「すぐに効く、速く効く」風邪薬を選んでいた
風邪になった際に、「のどの痛み」「鼻水」「せき」「たん」「鼻水」「頭痛」など複数の症状を患う場合があります。そこでそうした症状に悩む人の割合を調査しました。結果は「複数の症状を患うことが多い」と回答した人が66％と、過半数以上の人が風邪と他の症状に苦しめられていることが分かりました。このことから、複数の風邪症状が出ても対処できる総合タイプの風邪薬へのニーズが高まることが推察されます。
また、市販の風邪薬に期待することを尋ねると7割の人が「すぐに効くこと」と回答。他にも「つらい風邪に効くこと」や「全ての症状に効くこと」、「特定の症状に効く」などの意見が賛同を集め、効果に対して期待を寄せている人が多いことが分かりました。また「副作用が少ないこと」や「胃を守る成分が配合されていること」など安全性を重視する人もいると言えます。
■市販の風邪薬の選び方への意識が変わった？ 「配合されている成分をチェック」する人が増加傾向
続いては、市販の風邪薬を選ぶ際に生じた変化についてです。新型コロナウイルスの影響で、風邪をひいた時に72％の人が不安を感じると回答したことを受けて、市販の風邪薬の選び方への意識が変わった点について尋ねました。すると、約4割の人が「配合されている成分を確認するようになった 」と回答。続いて「買い置きをするようになった」「ひき始めに購入するようになった」といった意識の変化が挙げられました。
その他には、「副作用などの症状が出ないか確認するようになった」「持ち運ぶようになった」「薬剤師の意見をしっかり聞くようになった」などがあり、新型コロナウイルスの感染が我々の市販の風邪薬への考え方に影響を与えていると言えます。
■専門家解説「市販の風邪薬の目的は『風邪を治す』ではなく『症状を軽くする』」
最後に、高座渋谷つばさクリニック院長である武井智昭先生の解説をご紹介します。
風邪をひいた際、不安を感じたり、医療機関に行くことすら控える方がいると言えます。たしかに秋から冬にかけて、例年だと、せき込みや鼻水、のどの痛みなどの症状が増えるため、病院へ診察に来られる方も増えます。そしてこの新型コロナウイルスの感染リスクを鑑みて、病院へ行くことに少なからず抵抗を感じる気持ちも理解できます。しかし、秋から冬へと変わるタイミングに入ると、気温は都内でも低下し、湿度も病原体が活発になりやすい50％程度を下回るようになってきます。さらに、寒さでなかなか家の換気はしづらいでしょうから、ウイルスに晒される可能性が高くなります。そのような環境の中で病院へ行くことを嫌がりそのままにしておくと、ますます症状が悪化して、様々な他症状を招く恐れがあります。
私たち医師にも、「この冬、どのような症状が出たら絶対に病院へ行くべきか」「訪問診察などは行ってくれないのか」などというご相談は、最近増えています。また、買い置き・ひきはじめ・成分を意識する傾向から見ても、できるだけ自分にあった成分の薬を購入し、早めに治そうとするセルフメディケーションの傾向の現れだと考えます。
ただ、そもそも市販の風邪薬は風邪を治す目的ではなく、自然治癒力をサポートするために症状を軽くするのが役目になります。私たち病院側も、出来るだけ万全な感染症対策を行って皆様の診察を行っていますので、うまく市販の風邪薬を服用していただきながらも自身の症状に不安を覚えたら必ず速やかに病院へ行き、医師の診察を受けることをおすすめします。
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いかがだったでしょうか？ 市販薬において「買い置き・ひきはじめ・成分」を意識する傾向にあることが分かりました。できるだけ自分にあった成分の薬を購入し、早めに治そうとする思いの現れが見て取れます。今から冬にかけて、体調を整えることが難しい時期に入ってきます。市販の風邪薬を活用することも大事ですが、それ以前に自身で可能な限り体調を管理することが大切です。無理な出社や不要な外出は控え、体をしっかりと休める環境を整えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
対象条件：半年以内に市販の風邪薬を購入した男女・ 20代～60代
調査日：2020年9月
調査エリア：全国
調査人数：500名
年齢性別構成：性年代（10歳刻み）ごとに50名ずつ
