結婚していない自分が悪いのか。自分を責めてしまう
上京後は2~3か月の電話連絡に年に数回の帰省。親を東京に呼んで観光に連れて行くこともあったとか。しかしそこで母親から聞かされるのは父親に対する愚痴ばかり。遮ると文句を浴びせられたそう。
「父親と3人でいる時は平和なんですが、母親と2人になると、決まって出るのは父親の悪口。聞いていてしんどいんです。でも、話を少しでも遮ったり、『(父親のことは)放っておいたらいい』とか言ってしまったら、『誰も聞いてくれないから話している。富山の家に閉じ込められている私の身になれ』というようなことを言われます。そんなことが毎回続くと、聞きたくなくて避けてしまいます。でも、そんな話を聞いてあげられるのは娘だけなのかなっていう思いや、避けてしまったことへの罪悪感もあって」
母親との関係に悩み、一度は母親と娘との関係の関連本を読み漁った時期もあったとか。また、関係に悩む理由に自身の未婚をあげます。
「結婚はいつかはしたいと思いながら、気づいたら……という感じです。今まで付き合ってきた人の中で結婚を意識した人はいません。友人たちが自分の家族を持ったことで親たちと程よい距離で付き合えている様子を見ると、親離れ、子離れは結婚しないと無理なのかもって思ってしまいます」
そして、コロナ禍で母親との関係が少しおかしくなってきていると言います。
「私が帰省しないことを怒るんです。何も根拠のない『コロナは大丈夫』という言葉を繰り返しながら。私は自分が罹ることよりも両親にうつすことが嫌なのに、何度言ってもわかってくれません。今はほぼ毎日電話があり、年末の帰省について毎回話し合っている状態です。電話に出れない時があると何度も着信があって……、これは普通じゃないですよね。母親の悪口になるので、誰にも相談できなくて、とてもしんどい状況が続いています」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。