新着記事

富士山ぐい呑み|職人技で磨き込まれた富士山シルエットの酒器

金属加工の本場、新潟県燕市から届いた、ぐい呑みセット。錆びにくく熱に強い「18‐8ステンレス…

超合金魂|「超電磁マシーン ボルテスⅤ」「無敵鋼人ダイターン3」「闘将ダイモス」が新シリーズでついに登場!

文/安藤政弘ダイキャスト(亜鉛合金)を使った手にずっしりくる重量感、テレビから抜け出たかのよ…

豊臣秀吉の正室・北政所の謎を追う【にっぽん歴史夜話 7】

 文/砂原浩太朗(小説家)豊臣秀吉の正室・北政所(きたのまんどころ)。戦国女性のなか…

「太宰治記念館 斜陽館」と「太宰治疎開の家」 太宰治ゆかりの2大名所

写真・文/鈴木拓也奥津軽のJR五所川原駅で、1両編成の津軽鉄道に乗り換えて約20分。吉幾三に…

たてスラブ作務衣|肌ざわりよくサラリとした着心地の伝統ウェア

動きやすく体を締め付けず、作業着から部屋着まで万能に使えることから、サライ世代に人気の作務衣…

「糖質制限」は体を壊す?医学的見地から見た効果と副作用

文/中村康宏近年、ダイエットや糖尿病の治療法として「ケトジェニック・ダイエット」が注…

三菱/エクリプス クロス|ブランド復活を狙った、斬新な意匠が評判の高性能な小型SUV【石川真禧照の名車を利く】

文/石川真禧照(自動車生活探険家)荒地などでの走行性能に優れた車づくりに定評のある三菱自動車…

世界最大の陸の孤島!映画「フィツカラルド」誕生の地、ペルー・イキトス

文・写真/原田慶子(海外書き人クラブ/ペルー在住ライター)ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツ…

かつのう3点セット|シンプルで奥深い木製パズルで脳を刺激

「かつのう」とは、脳へ適度な刺激を与えながら楽しく取り組めるパズルシリーズの名称だ。その中か…

【インタビュー】渡辺京二(思想史家・87歳)「イデオロギーは矛盾だらけ。だから歴史を学び直し人間の真実を追究するのです」

【サライ・インタビュー】渡辺京二さん(わたなべ・きょうじ、思想史家)――日本の近代論や思…

サライ最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

国宝「三十三間堂」の“33”という数字に秘められた意味とは【ニッポンの国宝ファイル9】

日本一大きな歴史的木像建造物は東大寺大仏殿。では、日本一長い歴史的木像建造物は何かご存じだろうか? 答えは京都の三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)。その長さはなんと120メートル。その内陣には1000体以上の仏像が安置されている。

三十三間堂の内陣にずらり居並ぶ仏像たち(『週刊ニッポンの国宝100』第5号より)

多くの人が修学旅行で訪れたことのある三十三間堂。正しくは蓮華王院(れんげおういん)という。蓮華王とは千手観音のことだ。蓮華王院本堂の内陣の柱間(はしらま)が33あることことから、「三十三間堂」と呼んでいる。現在の三十三間堂は建長元年(1249)の火災後に再建された2代目だ。

東に面して南北120メートルに伸びる長大な空間に仏像がひしめく光景は、一度見たら忘れられない光景。じつはここには後白河法皇の極楽往生を望む執念がつまっているのだ。

なんとこの空間は、「後白河法皇がただひとりで祈りを捧げるための空間として建立され」たという。

後白河法皇は平安末期、源平の戦乱のなか、なんと34年もの間院政を敷いた人物だ、その波乱の人生のかたわら、今様(いまよう=当時の流行歌謡をさす)を愛し、歌謡集『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』を編纂した。また、仏教を篤く信奉したことでも知られている。

仏は常にいませども
現ならぬぞあわれなる
人の音せぬ暁に
ほのかに夢にみえたもう
――『梁塵秘抄』より

三十三間堂に一歩足を踏み入れ、千体もの観音像が居並ぶ風景に対すれば、戦乱の世に極楽浄土を求めてやまなかった後白河法皇の思いが伝わってくる。

*  *  *

ところで33という数字にはもうひとつ意味がある。観音菩薩が時と場に応じて姿を変えて衆生を救いにやってくる、その姿が33あるのだという。つまり、仏教の教えを具体的に建築に反映したものなのだ。

この観音信仰の背景には、当時の末法思想があった。これは釈尊入滅後の1000年の「正法(しょうぼう)」、次の1000年の「像法(ぞうぼう)」、そのあとに「末法」を迎え乱世になると信じられていた思想だ。そのため、末法を迎える11世紀後半から12世紀にかけて、来世の救済を願って三十三間堂のような千体観音堂が数多く造られた。しかし、都が焼け野原になった応仁の乱(1467─1477年)の災禍で多くが破壊された。三十三間堂は奇跡的に残った千体観音堂なのだ。

*  *  *

三十三間堂に安置されているのは、中尊である丈六の「千手観音菩薩坐像」、守護神の「風神・雷神像」、眷属(けんぞく=従者)の「二十八部衆像」(いずれも国宝)、そして「千手観音立像」1001体(重文)と合わせて、その数1032体!

これだけの仏像がどういう風に並べられているかというと、国宝の中尊の左右それぞれ10段に、千手観音像が各段50体ずつ階段状に並べられ、中尊の後ろにも1体安置されている。その光景に圧倒されてしまうが、じつは仏さま一体一体を見ると、さらに発見があるのだ。

『週刊ニッポンの国宝100』(小学館)第5号「三十三間堂・洛中洛外図屏風 上杉本」には、国宝仏の一部が原寸で掲載されている。原寸だからこそわかる新たな発見を、誌面で体感していただきたい。

右は千手観音菩薩坐像の40本の手のうちの1本が持っている髑髏(どくろ)だ。千手観音菩薩坐像は335センチもあるため、持仏も大きいことが、原寸だからこそわかる。(『週刊ニッポンの国宝100』第5号「国宝原寸美術館」より)

【開館120周年記念特別展覧会 国宝】
■場所:京都国立博物館(京都・東山)
■開催期間:10月3日(火)~ 11月26日(日)
■開館時間:9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで。ただし金曜・土曜は21:00まで開館)
■休館日:月曜(ただし10月9日(月)は開館、10日(火)休館)
■料金:一般 1500円
■問い合わせ先:075-525-2473(テレホンサービス)

【週刊『ニッポンの国宝100』特設サイト】
http://www.shogakukan.co.jp/pr/kokuhou100/

『週刊日本の国宝100』第5号「三十三間堂/洛中洛外図屏風 上杉本」 (小学館)

取材・文/まなナビ編集室

※この記事は小学館が運営している大学公開講座の情報検索サイト「まなナビ」からの転載記事です。
大学公開講座のまなナビ|小学館の公開講座検索サイト (http://mananavi.com/

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 「庭園画」に描かれた庭園と現状の庭園とを比べてみる楽しみ
  2. 江戸の大名庭園『六義園』の昔と今を「庭園画」で比較してみた
  3. 失われた江戸の名園たちが眼前に!美しき「庭園画」の世界展
  4. 日本画家・堀文子さん99 歳、描き続ける「いのち」の軌跡
  5. 国宝『救世観音』と古代ギリシャ『コレー像』の東西ほほえみ対決【ニ…
PAGE TOP