新着記事

【ビジネスの極意】優秀な中途採用者を確保するために企業が行うべきこと 【ビジネスの極意】優秀な中途採用者を確保するために行うべきこと 今年こそ舌下免疫療法で、花粉症の根治を目指してみよう あなたは本当に花粉症?|花粉症の根治を目指す「舌下免疫療法」最前線 『野田版 桜の森の満開の下』画像提供:松竹 桜が彩る歌舞伎を愉しむ|古典からシネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』まで さきいかと菜の花の炊き込みご飯 【管理栄養士が教える減塩レシピ】さきいかと菜の花の炊き込みご飯|さきいかでだしを取ろう 6代目スカイライン風のヘッドライトウォッシャーは、実際には水は出ないとのこと。6代目スカイラインに装備されていたアンテナも装備したいと考え、現在も必要なパーツを探しています。 【私のクルマ遍歴】「スカイライン」と「西部警察」は一生の憧れ。ついに『ER34』を『マシンRS』風の赤黒ツートンカラーに再塗装!(後編) サライ.jp世代ならば、すれ違ったら振り返ってしまう健一さんの愛車。その出会いと物語は【後編】で語ります。 【私のクルマ遍歴】『スカイライン2000GTターボ』を事故で失った後、本当に欲しかった『スカイライン2000RSターボ』を必死に探す(前編) 元号ものがたり~改元にまつわる珍談・奇談あれこれ【にっぽん歴史夜話14】 元号ものがたり~改元にまつわる珍談・奇談あれこれ【にっぽん歴史夜話14】 《儀式用宝飾水筒》 16世紀後半 トプカプ宮殿博物館蔵 トプカプ宮殿の華麗な宝物【トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美】 【娘の気持ち】理容師を目指したきっかけはしっかりとした両親の姿があったから。その進路に不安はなかった~その2~ 【娘の気持ち】理容師を目指したきっかけはしっかりとした両親の姿があったから。その進路に不安はなかった~その2~ 【娘のきもち】両親はともに理容師。休日に家族で過ごせない寂しさを忘れさせてくれたのは、祖父母の愛情だった~その1~ 【娘のきもち】両親はともに理容師。休日に家族で過ごせない寂しさを忘れさせてくれたのは、祖父母の愛情だった~その1~

サライ本誌最新号

住宅特集アンケート実施中です!

別冊付録「大人の逸品カタログ」商品はこちらから

ピックアップ記事

  1. クラシックなデザインに足を止める人が多く、常にギャラリーが絶えない初代クラウン(1955年~)

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

「歩く時この杖をつかうと志賀と一緒にいる気がする」(武者小路実篤)【漱石と明治人のことば212】

sousekiKotobaBanner2

今年2017年は明治の文豪・夏目漱石の生誕150 年。漱石やその周辺、近代日本の出発点となる明治という時代を呼吸した人びとのことばを、一日一語、紹介していきます。

【今日のことば】
「歩く時この杖をつかうと志賀と一緒にいる気がすると思った」
--武者小路実篤

白樺派を代表するふたりの作家、武者小路実篤と志賀直哉は、ともに長命であった。武者小路実篤は90歳、志賀直哉は88歳で天寿を全うした。

年齢は志賀がふたつ上。ところが、学習院中等科時代に二度まで落第した。漕艇や自転車などの運動に熱中し、学業を怠った結果だった。

ボート部のユニフォームのランニングシャツ姿の志賀直哉の写真が残されているが、それを見ると、分厚い胸、首から肩、さらに上腕部にかけて、均整のとれた引き締まった筋肉が見事だ。優勝旗を手にした写真もあるから、その打ち込みようも、運動能力もかなりのものであったのだろう。また、愛用の自転車も米国製の「デイトン」と「ランブラー」という高級ブランド。10円あればひとり1か月分の生活費になったというこの時代に、この自転車は160 円と140 円という高価さだったという。

スポーツに熱中しての二度の落第は、志賀直哉の運命を大きく変えた。いつしか武者小路実篤と同級となり、以降、生涯にわたって篤い友情を育み保持していくことになるのである。しかも、仲よくしても、馴れ合うことはなかった。互いに信頼し尊重しつつも衝突を恐れず、切磋琢磨した。

80歳を目前に、志賀直哉は自ら庭木を削って二本の杖をつくった。先端にはすべらぬよう革を巻き、1本は自分が使い、もう1本は武者小路実篤へ贈った。武者小路は感謝の気持ちをこめ、掲出のことばを含む『友情の杖』と題する一文を書いた。

「気軽に話をしている時、志賀が自分で削ったのだと言って杖をくれた。(略)僕はこの頃少し足が弱くなり、歩く癖を少しつけたいと思っている事を志賀は知って杖をくれたのかと思った。少くもこのもらった杖で庭を歩こう、歩く時この杖をつかうと志賀が一緒にいる気がすると思った」

ふたりの長く深い友情を象徴する、長さ90センチ弱、枯淡の味わいを醸すこの二本の杖は、東京・調布市の武者小路実篤記念館に、いまも大切に保管されている。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『夏目漱石 100の言葉』(監修/宝島社)などがある。2016年には、『サライ.jp』で夏目漱石の日々の事跡を描く「日めくり漱石」を年間連載した。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 「秋立つや一巻の書の読み残し」(夏目漱石)【漱石と明治人のことば…
  2. 「年の暮れには追憶を、年の初めには希望を」(幸田露伴)【漱石と明…
  3. 「見果てねど はた見あきねど我が夢は 四十余年の夢多き日々」(滝…
  4. 「子供のために一流の文学者が進んで執筆しなければ嘘だ」(鈴木三重…
  5. 最晩年の谷崎潤一郎が愛する風景を詠んだ歌【漱石と明治人のことば3…
PAGE TOP