新着記事

甘えん坊の猫さんに試してみてくださいね 猫の運動不足&ストレス解消には「キャットアジリティー」が効果的【にゃんこサライ特別編】 造園家・小杉左岐さん(72歳)の朝めし自慢「60代に入ってから塩分と油分を控えた献立です」 倭ism 鹿革のカジュアルシューズ|日本の伝統皮革・鹿革製のスニーカー Culture NIPPON シンポジウム2018 文化庁主催「Culture NIPPON シンポジウム2018」東京大会が行なわれました 角野栄子さん 角野栄子さん講演会「現在進行形で生きる」のお知らせ[PR] 親の終の棲家をどう選ぶ?| 有料老人ホーム、倒産したのに前払い金が戻らない⁉ 親の終の棲家をどう選ぶ?| 有料老人ホーム、倒産したのに前払い金が戻らない⁉ 腰丸めストレッチ 1日10回で反り腰を改善!イスに座ってできる簡単腰丸めストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第12回】 アウディ/A7 スポーツバック アウディ A7 スポーツバック|色気を纏った車体に革新技術を詰め込んだ最先端の個性派クーペ【石川真禧照の名車を利く】 鯖江のバングルウォッチ|眼鏡職人と漆器職人が作った驚きの時計 松茸(てんぷら みかわ 山本益博|「秋のてん種」【食いしん坊の作法 第19回】

サライ本誌最新号

ピックアップ記事

  1. 角野栄子さん
  2. 松本零士 不滅のアレグレット〈完全版〉

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

溝口健二『祇園囃子』|若尾文子の生意気舞妓が口説き男にまさかの逆襲【面白すぎる日本映画 第4回】


文・絵/牧野良幸

溝口健二の『祇園囃子』は1953年(昭和28年)の作品。タイトルから分かるとおり京都の祇園が舞台だ。

冒頭、スクリーンは京都の瓦屋根を映していく。そこにまだ少女の面影のある栄子(若尾文子)が歩いてくる。向かうのは祇園の芸妓、美代春(木暮実千代)のところだ。栄子は自分も芸妓になろうとやってきた。

不覚にも僕はここまで観て、落ち着きのある流れに「古都はいいけど、地味な映画はどうも……」と思ってしまった。しかしそれは杞憂とすぐに分かる。主人公は芸妓でもストーリーは現代的だ。今と変わらない人間ドラマが繰り広げられる。

1年の修行を終えた栄子は、いよいよ美代春に連れられてお座敷にあがる。座敷には会社専務の楠田がいる。役所課長の神崎を接待しているのだ。

その神崎は大人の色気にあふれた、姉さん芸妓の美代春に一目惚れする。一方楠田も子どもっぽく生意気な栄子を気に入ってしまうのである。

映画ががぜん現代的になるのは、楠田が美代春と栄子を東京に連れていくところからだ。夜行列車の場面をへて、大都会の東京に舞台を移すのだからいかにも現代的。

とは言っても東京の場面は、宿の一室だけである。それでも栄子が「これが芸妓の制服や、このまま銀座のバーに行きたいわ」と息巻くところなど、いかにもお上りさんらしい。

楠田はこの宿で、東京に出張中の神崎に美代春を付き合わせ(つまり枕をともにさせ)、仕事の便宜をはかってもらおうと策略したのである。そうと知らずに東京に来た美代春であったが、しぶしぶ神崎と会う。ここらは成熟した女の弱さか。

ところがだ。二人を残して楠田は栄子を外に連れ出そうとするが、自分もムラッときた。栄子に迫ったのである。しかしまだ子どもで鼻っ柱の強い栄子は激しく抵抗する。

それでも無理矢理、栄子を押し倒す楠田。隣の部屋にいた美代春と神崎が、楠田の悲鳴を聞いて飛び込んできた時、楠田は口元を押さえてのたうちまわっていた。

こうして楠田の計画はおじゃんである。同性の僕としては、男が女を口説こうとして失敗するシーンは愉快だ。

しかししわ寄せは美代春と栄子にきた。楠田の機嫌を損ねたことで、二人はお茶屋から閉め出しを受けたのだ。座敷からお呼びがかからない。

窮地に陥った美代春に残された道は神崎に身体を差し出すことであった。そうすれば楠田の機嫌もなおり、お茶屋への出入りも許される……。

大人の事情に翻弄される美代春と現代っ子の栄子。二人の芸妓の間には世代の溝があり、女として生きて来た年月の差がある。しかしともに肩寄せ合って生きていこうとするのであった。溝口健二はそんな二人をけなげに描く。

【今日の面白すぎる日本映画】
『祇園囃子』
■製作年:1953年
■製作・配給:大映
■モノクロ/1時間25分
■キャスト/暮実千代、若尾文子、河津清三郎、進藤英太郎、菅井一郎、浪花千栄子
■スタッフ/監督: 溝口健二、脚本: 依田義賢、原作: 川口松太郎、音楽: 斉藤一郎

セルDVD版『日本名作映画集27 祇園囃子』(販売元: Cosmo Contents、品番:COS-027、価格1,800円)

文・絵/牧野良幸
1958年 愛知県岡崎市生まれ。イラストレーター、版画家。音楽や映画のイラストエッセイも手がける。著書に『僕の音盤青春記』『オーディオ小僧のいい音おかわり』(音楽出版社)などがある。ホームページ http://mackie.jp

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 八つ墓村 謎めいた双子の老婆役を演じた市原悦子|『八つ墓村』【面白すぎる日…
  2. 面白かった80年代の洋画ランキング|3位スター・ウォーズ、2位はターミネーター、では1位は? 面白かった80年代の洋画ランキング|3位スター・ウォーズ、2位は…
  3. 秋刀魚の味 小津映画の中で魅力を発散した女優・岩下志麻|『秋刀魚の味』【面白…
  4. 忠臣蔵 年末の定番映画といえばこれ!『忠臣蔵』【面白すぎる日本映画 第2…
  5. 新幹線大爆破 世界に誇れるパニック映画 『新幹線大爆破』【面白すぎる日本映画 …
PAGE TOP