永寿堂の影響力

西村屋与八の屋号「永寿堂」は、1780年代から1840年代にかけて繁栄しました。初代与八の事業は、次代の版元たちに影響を与え、江戸出版業界の発展に寄与したといえるでしょう。

その後の永寿堂

初代与八が築いた永寿堂は、2代目以降も繁盛し続けました。2代目与八は初代の事業を引き継ぎながら、新たな作家や浮世絵師との関係を築き、柳亭種彦(りゅうてい・たねひこ)や十返舎一九(じっぺんしゃ・いっく)といった文筆家の作品を広く世に送り出しました。

ちなみに、2代目与八は、江戸で地本問屋をしている鱗形屋孫兵衛(うろこがたや・まごべえ)の子息であり、養子だったといわれています。

このほか、文政5年(1822)から天保2年(1831)頃に出版されたとされる、葛飾北斎の『富嶽三十六景』を出版したのも、永寿堂です。

まとめ

西村屋与八(初代)は、江戸時代中期において、浮世絵と出版文化の発展に多大な貢献をした版元です。与八の活動は、江戸文化の記録者であり、普及者としての重要な役割を果たしたといえるでしょう。

※表記の年代と出来事には、諸説あります。

文/菅原喜子(京都メディアライン)
肖像画/もぱ(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com FB

引用・参考図書/
『日本大百科全書』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)
『日本人名大辞典』(講談社)
『朝日日本歴史人物事典』(朝日新聞出版)

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