家康(演・松本潤)と氏真(演・溝端淳平)、感動の昔語り。(C)NHK

編集者A(以下A):関ヶ原では、西軍に属した多くの大名が改易、減封の処分を受けたことで多くの浪人が発生しました。もちろん東軍諸将の家中に再雇用された人物も多かったのでしょうが、とても吸収される規模ではない。そうした人々が望むのは、やはり「乱世」。合戦で無くした所領は合戦で取り戻すという「戦国思考」が発動されたということでしょう。

ライターI(以下I):そうした浪人勢力の希望の星が豊臣家だったのですね。

A:加えて、秀吉(演・ムロツヨシ)、家康(演・松本潤)らの禁教政策で棄教を余儀なくされつつあったキリシタン勢力も大坂 VS. 徳川の争いに活路を見出します。三河一向一揆で宗教勢力が糾合することの恐ろしさを体感していた家康にとって、これは絶対看過できないことだったと思います。

I:そうした時代背景を感じながら、徳川 VS. 豊臣最終決戦の帰趨に注目してほしいと思います。

豊臣秀頼を演じる役者の系譜

優雅に舞楽を舞う秀頼(演・作間龍斗)。(C)NHK

I:さて、今週は成人した豊臣秀頼(演・作間龍斗)が登場しました。有名な「蘭陵王」と思われる雅な舞を披露していました。

A:過去の大河ドラマで豊臣秀頼をどういう俳優が演じたかといえば、井上純一(1981年『おんな太閤記』)、利重剛(1983年『徳川家康』)、尾上菊之助(2000年『葵 徳川三代』)、仲野太賀(2011年『江 姫たちの戦国』)、中川大志(2016年『真田丸』)などがいますが、特筆すべきは1989年の『春日局』で秀頼を演じた渡辺徹さんではないでしょうか。

I:秀頼は巨漢で偉丈夫だったと記録する史書がありますからね。その説にのっかった場合の最適のキャストだったということですかね。

秀頼と家康の二条城での対面。次ページに続きます

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