猫の鳴きまねが登場!

I:今週のトピックスといえば、家康が本多忠勝(演・山田裕貴)、榊原康政(演・杉野遙亮)と山中で武田信玄との面会を待つ間に、猫の鳴きまねをしていた場面ではないでしょうか。これはほほえましくって、猫好きの人たちにとってはご褒美場面になりましたね。甲斐の虎ではなくて、甲斐の猫だということでした。

A:甲斐の猫ってフレーズは、思わず笑っちゃいました。全国の猫好きの方たちは、自分たちの方がうまいぞ! って、一斉に鳴きまねをしたのではないでしょうか(笑)。家康が猫好きだったという記録があるかどうかはわかりませんが、歴史上、宇多天皇や一条天皇が猫好きだったと記録されています。戦国時代でも、島津義弘は朝鮮に渡海した際に猫を7匹もつれて行ったといいます。これは猫の目を時計代わりにしたという逸話ですが。江戸時代に入ってからですが、伊達政宗も猫好きだったようで、譲り受けた猫を溺愛している様子が伺える手紙が残っています。

I:徳川家でいうと、最後の将軍徳川慶喜と暮らしていた猫はその写真が残っていますね。撮影したのももちろん慶喜本人というレアな作品です。名前は「ハン」ちゃんと言ったそうです。

A:猫の話題が出たついでに言及しますが、10年前に『ありがとう! わさびちゃん』という本を編集しました。カラスに襲われた子猫を保護した夫婦の87日間の軌跡をまとめた本ですが、わさびちゃんを保護したお父さんこと斎藤洸(SNARE COVER)さんが、今年、NHKスペシャル『超・進化論』の主題歌シンガーに抜てきされました。

I:もう10年になるのですね。斎藤さんは、先日NHKホールで見事な歌声を披露していたそうですよ。

裏テーマは「家康の女たち」だったのか!

幼馴染だった田鶴(左/演・関水渚)と瀬名(演・有村架純)。(C)NHK

I:そして今週のメインはお田鶴(演・関水渚)と瀬名(演・有村架純)の物語でした。私が気になったのは、お田鶴の〈思い出してごらんなされ。あの雅で美しい駿府の町を〉という台詞です。まだ10代のふたりの思い出とともに栄えていた駿府の光景。ふたりとも「今川」の人ということが印象付けられた気がしましたし、「敗者今川」方の人たちの悲哀を感じて涙が出てきました。

A:椿がキーアイテムとして登場しました。これは浜松の伝承を採用したのですね。浜松市内には椿姫観音という史跡があります。お田鶴の非業の死を嘆いた瀬名が椿を植えたという伝承に基づく観音堂です。

I:こぢんまりとしていますけど、瀬名が百本もの椿を植えたと伝わる場所ですね。それにしてもお田鶴の凛とした武将姿には惚れ惚れしました。前週のお葉に続いて印象的な場面になりました。

A:細かい違いはありますが、お田鶴が甲冑を身にまとって戦ったのはさまざまな記録に綴られています。私はこのシーンを見て、本作の裏テーマが実は「家康の女たち」なのではないかという印象を持ちました。かつて『徳川の女たち』というドラマがありましたが、その家康バージョンですね。そう考えると瀬名の場面が多いのもうなずけますし、お市の方(演・北川景子)との絡みや、ちょっとテンションが高めの実母於大(演・松嶋菜々子)の登場もなるほどと思わされます。前週は側室選びにまるまる一回使ったりしているのもそういうことなのか、と。

I:私は以前から薄々そう感じていました。『おんな太閤記』(1981年)、『春日局』(1989年)、『利家とまつ』(2002年)、『功名が辻』(2006年)や『江 姫たちの戦国』(2011年)『女城主直虎』(2017年)など女性がメインの戦国大河はたくさんありますからね。そう思ったら楽しみ方も違ってくるかもしれないですよ。

A:確かにそうかもしれません。それにプラスして、今後はさまざまな感動の人間模様が展開されるような気もしています。冒頭の三国の同盟については頭に入れておいてほしいです。武田信玄の嫡男義信に嫁いでいたのは今川義元の娘だったということを。そして、瀬名も「今川の女」であるということを……。

I:武田と徳川、そして織田。さらには今川氏真のこと……。なんだかスリリングな展開になりそうですね。

引馬城攻めで勢ぞろいした徳川家臣団。(C)NHK

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。

●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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