働き盛りの家康が拠点にした浜松が初登場!
I:話題を変えましょう。飯尾連龍(演・渡部豪太)の引馬城が登場しました。遠江国で現在の浜松になります。
A:浜松といえば、餃子にうなぎパイで知られます。今年に入ってすでに数回静岡県内でうなぎパイを購入していますが、浜松は「パイ」だけではなく本物のうなぎも名物のひとつ。10数年前に有志を募って「浜松でうなぎを食べる会」をやったのを思い出しました。
I:引馬城は後に浜松城となり家康の居城になります。家康働き盛りの約20年もの間、居城にした地。江戸時代は浜松を治めた大名が出世をすることが多かったので「出世城」ともいわれています。浜松城も日本城郭協会選定の百名城に選ばれています。
A:家康は浜松を拠点に飛躍していくことになります。地元の方々も期待してその回を待っているのだと思います。今後の展開が楽しみですし、また浜松にうなぎを食べにいきたいですね。
武田信玄と苦そうに薬を飲む家康
I:ということで、いよいよ甲斐の武田信玄(演・阿部寛)が家康と本格的に絡みだしそうです。
A:歴代信玄の中でもっとも濃い信玄ですよね。いったいどんなやり取りになるのか、名場面、名シーンだと膝を打つ展開になるのか否か、その流れを見守りたいですね。時代考証を担当している平山優さんは、武田氏に詳しい研究者だけに信玄、家康の絡みについては、ほんとうに楽しみなんですよ。
I:私は、平山優さん絡みでいえば、むしろ武田勝頼の方に注目しています。武田勝頼役は千葉真一さんの息子眞栄田郷敦さんですし、「武田滅亡」を8回くらいやってもいいのではないかと思ったりしています。
A:8回かぁ。確かにそれくらい見たいですけど……、ムリですね(笑)。
I:……。そういえば、瀬名が煎じた薬草を家康が苦そうに飲み干すシーンがありました。
A:後年、家康は自ら薬を調合するようになりますが、家康が使っていた道具が静岡市の久能山東照宮に遺されています。なんと家康が調合した薬がそのままの状態で残っているから驚きです。胃腸薬なのか精力剤なのか、想像するだけで楽しくなります。
I:家康が薬を飲む時に使ったといわれる椀も遺ってるんですよね。
A:はい。そして、家康が調合した薬は、開けてしまうと中身が変質してしまうおそれがあるそうで、栓をしたままの状態で、400年以上前のものがしっかり遺されているのが感動ものです。
I:主演の松本潤さんも久能山東照宮にお参りしていますから、見ているかもしれないですね。
A:松本潤さんは、久能山東照宮だけではなく、松平家の菩提寺の大樹寺にも足を運んでいますし、長篠合戦古戦場なども訪れています。案内した方に話を聞くと、ほんとうに熱心に勉強しているのでびっくりするそうです。当欄では番組が始まる前に「松本潤の熱量が凄い!」という記事(https://serai.jp/hobby/1106505)を配信していますが、制作陣はその熱量をしっかり受け止めてほしいですね。
I:「松潤ファン」の方に聞くと、どんな仕事でも真摯に向き合うのは昔からだそうです。私はそういう話を聞いて『どうする家康』の松本さんをますます応援したいと思っているのですよ。
A:はい。来週、どんな展開になるのか、楽しみですね。
●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。
●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり